阪神・岡田監督 無死一、二塁の“ゲッツーOK” その心は…「次の打者は物凄い打ちやすいんよ」

[ 2022年11月6日 05:15 ]

バットを手にする岡田監督(撮影・岸 良祐)
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 阪神の高知・安芸秋季キャンプ第2クールが5日に始まり、岡田彰布監督(64)が「無死一、二塁の併殺打はOK」などの持論を展開した。

 就任以来、次々と公開してきた「オカダの考え」にまた新たな1ページが加わった。第2クール初日の練習後、報道陣の囲み取材で「打て」のサインについての持論を展開。無死一、二塁での併殺打もOK――という独特の考え方を披露した。

 「後ろの打者に打ちやすい環境をつくったらなあかん。一つ例を出すと、無死一、二塁で“打て”のサインになったら、ゲッツーでもええんや」

 あまりに大胆なイズム…そのココロとは。

 「2死三塁。次の打者は物凄い打ちやすいんよ。それが“打て”と言うとんのに、右打ちするような変な打ち方でポップフライになって1死一、二塁になったら、次の打者は打ちづらいで。2死三塁なら(凡退でも)何の罪もない。ゲッツーにもならんしな(笑い)。そういうこと。無死一、二塁でベンチから“打て”のサインが出たらゲッツーになっても知らんぷりしとけばええ。進めてほしいならバントとかサインを出すわけやから」

 無死一、二塁の絶好機での併殺打なら「最悪の結果」と考えがちだ。ただ、生粋の勝負師は違う。そこで「打て」のサインを出した時点で、併殺打は想定内。責任は自らの采配にあるとし、次の打者の心境まで考えを及ばせるのが岡田流。その循環が、好結果につながると見る。

 「俺が2軍(打撃コーチ)の時、北川(現2軍打撃コーチ)が無理やり右方向に打とうとした。“打て”のサインやのにな。極端に言ったら、サイン無視よ。ゲッツー打つんやったら引っ張って、ええ当たりの遊ゴロを打てと言うた。そういう打ち方しとったら、三遊間を抜けていくようになったんや」

 若虎には「目からウロコ」であろう意識。「まあ、こんなんは実戦やから」と、実戦練習が組まれる来春キャンプから、どんどん注入していく意向だ。(山添 晴治)

《これまでの岡田理論伝授》

 ★打撃 10月25日、低迷が続く高山に個別アドバイス。「(1)ステップ幅を広く」「(2)下半身は立ち小便の格好」「(3)手は傘を持つ位置」「(4)ミートポイントをボール半個分前に」と独特の表現を交えて極意を伝授した。11月2日には大山がミートポイント変更を実践してスイングスピードが8キロアップ。

 ★直球 10月28日、20代投手陣相手の10分間のミーティングで「直球のレベルを上げろ」と指令。「160キロ投げても棒球なら打たれる」と、打者に球速以上に速く感じさせるため、今の時期は「スピンのあるボールをクロスで、高めに」とセオリー破りのアウトハイへの投球を指示。

 ★盗塁 10月30日、4年連続リーグ最多盗塁数というチームの武器を生かしつつ、今年までの選手判断ではなく、基本的に自らのサインで走らせる方針を示した。「大事なところで走れんとあかん」と数にはこだわらず、得点に直結する盗塁の増加が狙い。

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2022年11月6日のニュース