ソフトB・牧原大 キングジョーカー返上「今年は、センターで出続けたので獲ってしまおうかな」

[ 2022年11月6日 05:00 ]

笑顔でランニングのメニューをこなす牧原大(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの宮崎秋季キャンプ第1クール3日目の5日、“鷹のキングジョーカー”が多彩な切り札からの卒業を明言した。牧原大成内野手(30)が、来季の定位置目標を中堅手に定めた。プロ12年でバッテリー以外の7ポジションを守ってきた快足万能のユーティリティープレーヤーは、家族も増えて気持ちも新た。来季レギュラー白紙の現状に、猛アピールを仕掛ける。

 トランプゲームにおいて多様性のあるカード「ジョーカー」になぞらえ、今季の藤本監督は万能型野手の牧原大を切り札として「鷹のキングジョーカー」と命名した。来季のマッキーは中堅手として一枚の不動のカード定着を狙う。

 「今年は三森がいないときにセカンドもやったけど、センターで出続けたので獲ってしまおうかなと。はい、センターでいきます」

 12年目の今季。120試合出場で123安打、6本塁打、42打点と全てキャリアハイ。打率・301も60試合以上出場シーズンでは自己最高だ。守りでは中堅で47試合、三塁で14試合、二塁で29試合、遊撃で5試合にスタメン出場。最も多かった中堅手では、ポストシーズンでも超美技で魅せた。

 「あのプレーは別にしたかったのではなく、今まで練習したことがとっさに出ただけ」。こうクールに回顧するプレーは10月15日のCSファイナルS、オリックスとの第4戦。30歳の誕生日に2点を追う6回2死二、三塁の守りで、頓宮の大飛球を背走しながらグラブの先で捕球し、球は離さず。流れを変えて7回に打線が同点に追いついた。

 「今年は今年で忘れて、来年に向けて休みたくないと思ったから」と、参加義務のない主力ながら中堅定位置アピールのため秋季キャンプ参加を直訴。藤本監督にも熱意は伝わっている。

 「本人がね、センター一本でやりたいと。レギュラーは白紙なんで競争してくれたらね。複数、守れるのは有利やけどね」とジョーカー卒業には少し残念そうだが期待は高い。

 11年に育成5位で入団。12年に支配下登録されて投手と捕手以外の全位置を守ってきたが“一本勝負”の背景には新たな責任感がある。10月末に第1子となる女児が誕生。自身のSNSで公表した。父親として覚悟も変わった。「家族のためにも頑張らないといけない」。公私でセンター(中心)を張る――。牧原大の決意と熱が伝わってきた。(井上 満夫)

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2022年11月6日のニュース