広島・末包、外野奪取へ意欲 “似たタイプ”新井監督に「どうやって成長曲線を描けたのか聞きたい」

[ 2022年11月6日 05:00 ]

広島・末包
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 広島の末包昇大外野手(26)が5日、本拠地での秋季練習後に取材に応じ、来季の外野定位置奪取に意欲を燃やした。圧倒的な飛距離を誇る右の大砲候補。手本にするのは同じドラフト6位入団から通算2203安打、319本塁打を放った新井監督だ。「どうやって成長曲線を描いたのか聞きたい」。その金言を刻み、層の厚い外野陣に割り込む。

 みやざきフェニックス・リーグから広島へ帰り、マツダスタジアムで実施中の秋季練習に合流して2日目。やはり、その飛距離は目を引く。末包は、自身が掲げるテーマに沿ってフリー打撃で柵越えを連発してみせた。

 「長打をどれだけ打てるか。それがアピールだと思うので、バットの入射角というか、打球に角度をつける意識はしています」

 1年目は出場31試合で打率・299、2本塁打、14打点。3月25日のDeNA戦で広島の新人では古葉毅、森永勝治以来3人目となる開幕戦3安打(1打点)の鮮烈デビューを果たしたものの、安定感に欠け、夏場には2軍が主戦場となった。

 いきおいバットを内側から出し、軸足でボールを呼び込むフォーム矯正に着手。秋のフェニックス・リーグでは一定の成果が数字になって表れた。出場13試合で打率・300、3本塁打、17打点。それでも26歳は「最低ライン」と振り返る。

 「良い感覚で試せた打席が多かったのは良かったけど、自分の年齢や若い相手投手を考えたら、ある程度は結果を残さないと…」

 期間中は筑波大の川村卓准教授に動作解析を受け、「バレルバット」を導入した。グリップとバットの芯との中間に縦約20センチ、直径約10センチの円柱形の膨らみがあり、ティー打撃時に使用。インサイドアウトの感覚を磨き、打球に良いスピンがかかるとされる。

 「新井監督は自分と同じようなタイプ。攻められ方とか似たところはあると思うので、どうやって成長曲線を描けたのか聞きたい。監督さんに教えていただきながら、2000安打や本塁打王を獲る選手になりたいです」

 新井監督の就任を絶好の好機と捉える。同じドラフト6位入団から通算2203安打、319本塁打を放った大打者。同じ右のスラッガーで、入団当初は確実性に欠けた姿も重なる。秋季キャンプから極意を吸収し、2年目に生かす構えだ。

 「秋山さんが来て、(西川)龍馬さん、野間さん、(上本)崇司さんも。その面々を追い抜いて来季はレギュラーを獲りたいです」

 自慢の飛距離に磨きをかけ、外野陣の高い壁を打ち破って来季、大砲候補は真の大砲へと進化する。

 ◇末包 昇大(すえかね・しょうた)1996年(平8)5月27日生まれ、香川県出身の26歳。高松商では甲子園出場なし。東洋大、大阪ガスを経て21年ドラフト6位で広島入団。22年3月25日シーズン開幕戦のDeNA戦に7番・右翼で先発デビュー。5月8日のDeNA戦で球団新人30年ぶり2人目の満塁本塁打。今季は31試合で打率・299、2本塁打14打点。1メートル88、110キロ。右投げ右打ち。

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