巨人・大勢1回ピシャリ初登板初S 侍ジャパン守護神急浮上「死んでも抑えようと思って投げた」

[ 2022年11月6日 05:00 ]

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表5―4日本ハム ( 2022年11月5日    東京D )

<侍・日>力投する大勢(撮影・光山 貴大) 
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 侍ジャパンは5日、栗山英樹監督(61)の初陣となる強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」の日本ハム戦を東京ドームで行い、5―4で逆転勝ちした。

 当時は小1。大勢少年が野球を始めた06年に、侍ジャパンは第1回WBCの王者に輝いた。「本当にかっこいいな、あんな選手になりたいと思わせてもらっていた」。16年後の秋の東京ドーム。1点リードの9回を3者凡退に封じ、代表初登板を初セーブで飾った。

 「僕の失点で皆さんの顔に泥を塗るようなことはできないな、というプレッシャーがあった。絶対に何が何でも、死んでも抑えようと思って投げた」

 先頭打者の古川裕を真ん中低めのフォークで左飛。石井には3球連続で高めに直球を投げ、最後は高めのフォークで見逃し三振に仕留めた。「2死を取れたので、もう一つギアを上げた」と投じた万波への2球目の直球はボールながら、この日最速の157キロを計測。最後は155キロ直球で二飛に抑えた。

 滑りやすいとされるWBC球への対策は事前にキャッチボールなどで「落ち球が落ちていないなと感じた」という。今季新人最多タイの37セーブを挙げた23歳は「落とそうとするんではなくて、その中でどうやって抑えるか」。高めに浮くフォークを利用し、直球もあえて高めに投げて打者を幻惑。高めのフォークで奪った三振も偶然ではなかった。

 強化試合にルーキーで唯一選出され、9回の登板を告げられたのは前日だったが、堂々のデビュー。変則のサイドスローという点も国際大会では価値が高く、本番でも抑えを任される可能性は十分ある。栗山監督から「凄く緊張すると思うけど、いつも通り思い切ってプレーしてほしい」と送り出された大勢が、期待に応えてみせた。(柳原 直之)

 ≪09年球児→ダルで連覇≫06年の第1回WBCでは大塚晶則(レンジャーズ)が抑えを務め、5試合で1S、防御率1.59をマークし世界一に貢献。09年の第2回は2次ラウンドまで藤川球児(神)が担い、準決勝の米国戦、決勝の韓国戦ではダルビッシュ有(日)が守護神としてマウンドに上がり連覇に導いた。13、17年の抑えは牧田和久(西)。13年は3試合で1勝1S、防御率0.00、17年は5試合で1勝2S、防御率3.00だった。

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2022年11月6日のニュース