「打」だけじゃない 守備でも魅せるヤクルト・山田

[ 2022年10月26日 12:34 ]

日本シリーズ第2戦の7回、吉田正の打球を好捕し素早く二塁へ送球する山田(撮影・尾崎 有希)
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 白熱した戦いが続くヤクルトとオリックスの日本シリーズ。前夜の第3戦で決勝の3ランを放ったのはヤクルト・山田だった。第2戦まで9打数無安打だっただけに「素直にうれしいです」とヒーローインタビューで喜んだ。

 トリプルスリーを3度達成した主将だけに、打った打たないに焦点が当たりがちだが、守備での貢献度も高い。第2戦。0―3の7回無死一塁、吉田正の一、二塁間の打球を滑り込みながら好捕。すぐさま反転して二塁送球しアウトをとった。チャンス拡大を防いだことで、9回裏の代打・内山壮の同点3ランにつながった。

 特に二遊間の打球を逆シングルで捕っての一塁送球の正確さについて高津監督も著書「一軍監督の仕事」で「日本一」と評するほどだ。まさに体現したのが、8月26日の4ゲーム差に迫られた2位・DeNAとの一戦。6―3の8回1死。桑原の中前へ抜けそうな痛烈な打球に滑り込んで追いつき一塁送球。間一髪アウトのビッグプレーだった。指揮官は「あの守備を見ると、やっぱり山田哲人だなと思いました」と改めて絶賛した。

 リーグ優勝を決めた9月25日のDeNA戦でも、0―0の5回1死二塁。嶺井の詰まり気味の打球を1バウンドで捕ると三塁送球してアウト。二塁走者のソトを視界に捉えていたからこそのプレー。的確な状況判断と広い守備で、何度もチームを救ってきた。

 二塁手のライバル、9年連続でゴールデングラブ賞を受賞中の名手、広島・菊池涼のような派手さはないが堅実。それは数字にも表れている。今季の守備率は・9953。菊池涼の・9949を上回りリーグトップだ。1月の自主トレでも「ゴールデングラブをとりたい。守備で評価されたいというのは、一番強い」と守備へのこだわりを話していた背番号1。球団初の2年連続日本一まであと2勝。好守でもチームを頂点へ導く。(記者コラム・青森 正宣)

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2022年10月26日のニュース