オリックス・中嶋マジック不発 打線大幅変更も大敗 4回好機で中川圭&ラオウが連続三振「やり返す」のみ

[ 2022年10月26日 05:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第3戦   オリックス1-7ヤクルト ( 2022年10月25日    京セラD )

<オ・ヤ>試合に敗れて引き揚げる杉本(左)を横目に思案気な表情の中嶋監督(撮影・北條 貴史)
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 「SMBC日本シリーズ2022」第3戦が25日、京セラドーム大阪に舞台を移して行われ、オリックスはヤクルトに1―7で敗れ、対戦成績は2敗1分けとなった。先発の宮城大弥投手(21)は、ヤクルト・山田に決勝3ランを被弾するなど6回途中3失点で降板。中嶋聡監督(53)は、26日の第4戦で巻き返しを誓った。

 仕切りなおしを図った本拠地は3万3098人の、ため息に包まれた。7点劣勢の9回。代打・西野の左翼線適時打で零敗を免れるのが、やっとだった。中嶋監督は悔しさをかみ殺すように言葉を絞り出した。

 「チャンスは1度くらいかな、あるとしたら。あそこ(4回)で取れなかったのが…。(山田の3ランは)次の回ですからね。そういう流れになっちゃっている感じがします。(先制していれば)全然違うでしょうね」

 指揮官が振り返った敗因の一つが、0―0の4回1死二、三塁。絶好の先制機で中川圭、杉本が2者連続の空振り三振。宮城が4回まで2安打に封じるなど好投した中で先制点を奪えず、つかみかけた流れを手放した。

 打線を組み替え、苦境打開を図った。1敗1分けだった神宮で、申告敬遠を含め勝負を避けられるケースが目立った吉田正の後ろが鍵と見て、その主砲を3番に起用。レギュラーシーズンでは4番としてわずか14試合の出場だった頓宮を打線に中心に据えた。5番に宗、中川圭、杉本と、長打と得点力の高い人材を並べたが、結果的に、その杉本が誤算だった。相手のキーマンと言える山田は不振脱出の決勝弾を放った一方、自軍の大砲は7回無死一塁でも空振り三振。この夜は「中嶋マジック」と評される用兵が不発に終わった。

 中嶋監督は「打つべき球、待つべき球、ボールっぽい所を中途半端に振ってしまったのは反省。その前に打てる球があれば、振っていかないといけない。今、点が取れない原因かなと思います」と打線の奮起を促した。

 これで1分けを挟んで2連敗。第3戦まで未勝利だったチームのV率は19%。それでも、シリーズの歴史を振り返れば、2連敗からの逆転日本一は過去9度もあり、16年日本ハムは2連敗から4連勝の逆転劇もあった。

 「それ(9回の反撃)しかない、無理やりポジティブに言えば。引きずっている場合ではないし、まだ負けたわけではない。やり返すチャンスはある」と指揮官。レギュラーシーズンで何度も見せてきた粘り強い野球を、再び展開するだけだ。(湯澤 涼)

 《V率19%》○…オリックスは1分けを挟んでシリーズ2連敗。第3戦まで未勝利は延べ22チーム目。過去21チーム中、日本一は4度のV確率19%と厳しい。ただ今回のように2敗1分けのケースは過去3度あり、62年東映(●●△→○○○○)優勝、75年広島(△●●→△●●)敗退、86年西武(△●●→●○○○○)優勝と2チームが逆転優勝している。

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2022年10月26日のニュース