阪神・岡田監督 悩める高山に構えの極意アドバイス 「手は傘を持つ位置、下半身は…」

[ 2022年10月26日 05:15 ]

打撃練習終了後、野手陣を二塁ベース付近で指導する岡田監督(中央)(撮影・成瀬 徹)
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 早くも岡田再生工場が動き出した! 阪神・岡田彰布新監督(64)が甲子園での秋季練習第1クール2日目の25日、16年に新人王を獲得しながら近年は打撃低迷が続く高山俊外野手(29)らに個別アドバイス。練習後には、野手全体にも身ぶり手ぶりで熱血指導をした。就任後初指導したベテラン指揮官は「手は傘を持つ位置、下半身は立ち小便の格好」と構えの極意も披露した。

 月内の静観を宣言した初日から一転、岡田監督が2日目に動いた。ノックバットを手に打撃ケージの横で選手たちのスイングを見つめ、気になった選手にアドバイスを送った。その一人が16年新人王の高山だった。

 直近3年、出場機会に恵まれなかった15年ドラ1を間近で確認し「悪くないよ、全然」と声を弾ませた。口から出るのは、“まだまだできる”の言葉ばかり。「もったいないやんか。力があるのに。このままこんな状態で終わってしまえば」。すでに佐藤輝・三塁、大山・一塁固定を明言。一方で外野は中堅・近本以外は白紙だ。天才肌ながら低迷が続く外野手に期待をかけていることは明白だ。

 現役時代に通算247本塁を放った猛虎を代表する右打者の頭には、再生計画ができている。ポイントとなるのは主に4つだ。

 <1>打撃時のステップ幅を広げて150キロ台の直球を打ち返せ!

 <2>下半身は立ち小便の格好。

 <3>構えの極意は、手は傘を持つ位置。

 <4>差し込まれるより泳げ。ミートポイントをボール半個分前(投手方向)にせよ。

 これらは高山だけに向けた言葉ではない。伸び悩む選手が、一人でも多く戦力になることを願う。特に、層が薄い右打者の成長は是が非でも実現したいところだ。ポジションをつかみ切れていない31歳の陽川にも、個別でアドバイスを送った。

 「9人で野球できへんからな。そら、1軍の戦力として必要と思うよ」

 新監督から「ステップ幅が狭い」とワンポイントレッスンを受けた高山は覚悟を決めた。「ここにいるメンバーの中では、一番ヘタだと思っている。悲壮感を持ってという強い気持ちでやっている」。陽川は右手の使い方を指摘され「自分で気付かない部分もある。教わったことを続けたい」と強い思いを口にした。

 岡田新監督は、練習終了後にも動いた。野手全員を二塁ベース付近に集合させ、約10分間の青空教室を開講。身ぶり手ぶりで熱血指導をした。再生もリニューアルも発掘も、新しいボスにお任せだ。(倉世古 洋平)

▽岡田監督の選手再生
 ★阪神・藤川球児 98年ドラフト1位入団も先発で結果を出せず、03年限りで戦力外となる見通しだったが、同年オフ就任の岡田監督がこれを阻止。02年までの2軍監督時代に救援での適性に着目していたためで、04年後半から中継ぎで起用。05年には救援トリオ「JFK」の一角としてリーグ優勝に貢献。NPB通算243セーブの球界を代表するストッパーとして大成した。

 ★オリックス・平野佳寿 入団から先発主体の起用で09年は3勝12敗。同年オフ就任の岡田監督が藤川同様の適性を見て下した救援転向が奏功。11年には49HPのリーグ新記録で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。14年は40セーブでタイトル。メジャー挑戦を経た22年も現役で、藤川以来2人目のNPB通算150ホールド、200セーブを達成した。

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