広島・藤井新ヘッドコーチ会見「新井監督のマネしました」カープカラーのネクタイで“気合”

[ 2022年10月26日 05:00 ]

広島のヘッドコーチ就任が決まり、記者会見する藤井彰人氏
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 広島の来季1軍ヘッドコーチに就任する藤井彰人氏(46=前阪神1軍バッテリーコーチ)が25日、広島市南区のマツダスタジアムで記者会見を開いた。新井貴浩監督と同じ野球観を持ち、信任厚い“男前”の新参謀。「重責。新井監督のためにチャレンジしたろ…と思った」。入閣要請を快諾し、V奪回へ「いろんなところに目配り、気配りしたい」と全力サポートを誓った。

 気持ちは既に真っ赤だった。紺のストライプスーツに、ひときわ目を引くカープカラーのネクタイ。藤井氏は「(就任会見の)報道を見て(新井)監督のマネをしました。娘と買いに行きました」と笑わせ、「重責」を担う心境を明かした。

 「すごくうれしく思っています。不安もありますが、今はワクワク、期待している自分の方が大きいです」

 思いがけない入閣要請だった。「ワシ、監督やるけぇ」との電話に「おめでとう」と返した直後「ヘッドコーチやってくれんか」。冗談だと思い、当初は取り合わなかったものの「初めて声をかけとんじゃ。一緒にやろうや」と強く請われ、心が動いたという。

 「家族に相談したら“何を迷ってんの”と。僕自身がワクワクしてきて、新井監督のためにチャレンジしたろ…と思いました」

 過渡期にあるチームは19年から4年連続Bクラスに低迷する。だが、同時期に阪神1軍バッテリーコーチを務めた藤井氏には「能力が高い選手が、野手は特に多い」と映っており、「そんな(再建が必要な)チームではない。優勝を目指せると思う」と強調する。

 新しい職務は、新井監督の参謀役。専門分野の捕手陣強化はもちろん、選手個々の能力をより引き出し、チーム全体の底上げが求められる。「妄想ですけど、引き受けてからいろんなことを考え、頭がいっぱい」と苦笑しつつ、描くヘッドコーチ像にも言及した。

 「監督がやりたい野球を理解し、監督が言いたくないことは僕が代弁できたら。同じ失敗を繰り返すのは大嫌い。いろんなところに目配り、気配りし、良いこと悪いことを含めてコミュニケーションを取っていきたい」

 11年7月2日の横浜戦、「さすが男前!」「顔しか取りえがないので」というお立ち台での掛け合いが印象深い。「(阪神で)一緒にやった4年間、すごく濃い話をしてきた。ひと言で言うと好き」という新井監督を胴上げするために、男前の新参謀は全力を尽くす意気込みだ。

≪藤井ヘッドに聞く≫
 ――打診を受けた時はどんな思いを。
 「監督から電話をもらった時はビックリしたのが正直なところ。僕でいいのかな…というのが本音でした」

 ――球団からはどんな言葉を掛けられたか。
 「若い力や下からの底上げが大事になってきますし、その辺を鍛えてほしい…と」

 ――肩書が変わる。
 「バッテリーコーチからヘッドコーチに変わるのはすごく重責。周りをしっかり見て、監督や選手らとコミュニケーションを取っていこうと思います」

 ――コーチとして大事にしていたことは。
 「現役の時は(コーチと)もっと相談できたら良かった。何がやりたいのか。どう活躍していきたいのか。その辺は力を入れたい」

 ――新井監督からはどんな言葉を。
 「好きにやってくれと。外部から分からないまま来るので気をつかわずにやって…と」

◇藤井 彰人(ふじい・あきひと)1976年(昭51)6月18日生まれ、大阪府出身の46歳。近大付、近大を経て98年ドラフト2位で近鉄入団。04年オフに分配ドラフトで楽天へ移籍し正捕手に定着。10年オフに阪神へFA移籍し15年引退。通算成績は1073試合で打率・236、10本塁打、173打点。引退後はBC・福井、阪神でコーチを歴任。右投げ右打ち。

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