ヤクルト・山田 大復活弾!絶不調3番→1番でV3ラン!日本シリーズ通算5発目

[ 2022年10月26日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2022第3戦   ヤクルト7―1オリックス ( 2022年10月25日    京セラD )

<オ・ヤ>5回、山田が先制3ランを放つ(撮影・村上 大輔)
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 「SMBC日本シリーズ2022」の第3戦は25日、京セラドームに舞台を移して行われ、ヤクルトが大勝して対戦成績を2勝1分けとした。神宮で行われた2戦合計で9打数0安打だった山田哲人内野手(30)が8月21日の中日戦以来の1番で出場し5回に左翼席に決勝3ラン。兄のように慕う村上宗隆内野手(22)も三塁ベンチで跳びはねて喜んだ。26日の第4戦も勝てば球団史上初の2年連続日本一に王手となる。

 ファンもチームメートも待っていた。ここぞで打つ。それが山田哲人だ。抜けるような乾いた打球音。ファンは立ち上がり、ナインも三塁ベンチを飛び出した。高々と打ち上げられた打球は先制3ランとなって左翼席に飛び込んだ。お祭り騒ぎの三塁ベンチ。兄のように慕ってくれる村上は「テツさ~ん!」と無邪気に跳びはね出迎えてくれた。

 「素直にうれしい。たくさん迷惑をかけていましたし。(本塁打は)いい角度がついてくれて、自分のスイングもできていたので感触はよかった」

 0―0の5回2死一、二塁。宮城の内寄り低め147キロ直球に振り負けなかった。第2戦まで3番で出場しながら9打数無安打、5三振。過去3度もトリプルスリーを達成し、大舞台にも強いはずの男が不振に陥った。苦悩を近くで見ていた高津監督は前夜は遅くまで「何かキッカケをつくらなければ…」と思案。この日に起床した瞬間に「1番だ」とひらめいた。昼に大阪市内のチーム宿舎の食事会場で「今日は1番でいこうと思う。どうだ?」と提案。山田も「監督の指示に従います」と受け入れてくれた。

 1番は8月21日の中日戦以来。高津監督には3年ぶりのリードオフマンだった同14日のDeNA戦で放った初回の初球先頭弾のイメージもあり、積極性も取り戻してほしかった。3回2死では内角直球に詰まりながらも全力疾走し二塁内野安打。内容は悪くても12打席目で今シリーズ初めて「H」のランプがともり、5回の一発につなげた。「任されたところで役割を果たしたいという気持ちだけ」という山田について指揮官も「凄く責任感の強い男。吹っ切れたと思う」と目を細める。

 これで対戦成績を2勝1分けとし、球団史上初となる2年連続の日本一へ向けて大きく前進した。同じ顔合わせだった昨年のシリーズ、そして今年も第2戦までは全て2点差以内の接戦が続いていたが、初めて3点差以上をつけて快勝。村上と同様、山田が打てばチームが乗る。

 「まだ2勝しただけ。しっかり気を引き締めて日本一を目指して頑張りたい」と山田。シリーズ通算5本塁打は球団最多記録。「逆シリーズ男」が、一気に「シリーズ男」に変貌するかもしれない。(青森 正宣)

 ≪チーム最多の日本シリーズ5発≫山田(ヤ)がシリーズでは自身初となる先発1番に座り1号3ラン。シリーズ通算5本塁打となり、チームでは大杉勝男、池山隆寛の各4本を抜く最多本塁打になった。シリーズで殊勲本塁打を5本は、王貞治(巨)、長嶋茂雄(巨)の13本、柴田勲(巨)、秋山幸二(ダ)、清原和博(巨)の6本に次ぎ石毛宏典(西)に並ぶ6位タイだ。

 ≪若手の機微察する主将≫主将2年目。クールな背番号1は円陣で率先して声を出すことはないが、人の機微を察する能力にたける。6月5日の西武戦。2軍から昇格してきたばかりの丸山和が途中出場して巡ってきた打席で初球を打ち上げて捕邪飛。試合後、意気消沈していた新人に歩み寄った。「1、2打席で結果が出るもんじゃない」と諭し「お前の声出しは魂がこもっているからいいと思うよ」と励ました。丸山和は当時を振り返り「テツさんでもそんなに簡単に打てないと思っているなら、自分は落ち込んでいる場合じゃないと思った」と感謝する。1年目から71試合に出場してたくましさを増した23歳は、この日は6回守備から途中出場し、2安打を放った。

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2022年10月26日のニュース