【西武・内海という男】繊細で気配り上手なまとめ役

[ 2022年8月16日 02:00 ]

西武・内海 今季限りで引退

西武・内海
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 栄光と挫折を知るから、現役終盤さらに繊細になったのだろう。西武・内海は常に緊張と戦っている。初めて取材したのは巨人時代の16年5月。オープン戦から不振で初登板を前に「ガチガチに緊張する」と語った。若手のような言葉は意外だった。

 常勝軍団・巨人の宿命であるが、負ければ叩かれる。若手時代、登板前日は眠れなかった。友人を自宅に呼んで騒ぎ、恐怖から逃れようとしたと聞いた。

 繊細だから気配りができる。投手と野手は別々で練習するため交流が少なく、負けが込めば険悪になることも多々ある。選手会長も務めた内海は坂本ら野手を積極的に食事に誘い、壁を取り払った。巨人のある選手は「内海さんがいたから投手と野手が仲良くなった。それまではバラバラだった」と言った。

 巨人時代は長年、年明けトップを切って1月1日に自主トレを公開した。京都府京田辺市で鉄板焼き店を営む母・広子さんの手料理が、報道陣の“おせち”の定番だった。(16~21年巨人担当、現西武担当・神田 佑)

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2022年8月16日のニュース