帰ってきた阪神・島本!1039日ぶりの1軍マウンドで3者凡退の快投 「連続自責0」記録継続中

[ 2022年8月16日 05:15 ]

4日の巨人戦で、1039日ぶりに1軍登板した阪神・島本
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 【虎番REPORT】3年前、取材ノートに記した島本の言葉を赤ペンで囲っている。生々しく、悲壮な覚悟が感じられたからだ。

 「次投げたら肘が壊れるという場面が3回あった。キャッチボールからもう痛くて…」

 聞いたのは自己最多の63試合に登板した19年のシーズン終了直後のことだ。痛みが大きくなったのは、シーズン最終盤。この先のキャリアを考えれば、自ら申し出て離脱するのも選択肢だったがようやくつかんだチャンスを絶対に手放したくなかった。

 「16年に故障して2軍落ちして、そこから一度も昇格できなかった。今年は絶対に投げ切るという思いだったので痛くても我慢して投げていました」

 代償は大きかった。19年オフに左肘のクリーニング手術を受けるも改善されず、翌年は1軍での登板はゼロに終わり、11月に左肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を決断。昨年の1年間はリハビリに費やした。

 あの時、自ら“バツ印”をつくっていたら…。そんな考えがやぼに思えるのも島本が1軍に帰ってきたからだ。4日の巨人戦で昇格を果たして即登板。1039日ぶりの1軍のマウンドで1奪三振を含む3者凡退の快投を見せた。

 「歓声がすごかったというか、頑張ってきて良かったなと」

 “捨て身”で投げ抜いた1年で失った日々は少なくない。ただ、激痛に耐えて腕を振ったことで得た“財産”もある。19年は8月1日の中日戦から21試合連続無失点、31試合連続自責点0でシーズンをフィニッシュ。今季も登板した3試合で無失点に抑え、2年のブランクを挟んで24試合連続無失点、連続自責点0は34試合まで伸びた。さらに、デビューから108試合無敗を継続中で球団記録として残る桟原将司の116試合も射程圏。無失点、無敗記録をどこまで伸ばせるか。“負けない男”の再出発は、見どころ満載だ。(遠藤 礼)

 ○…阪神・島本は通算108試合に登板して5勝0敗で、一度も敗戦投手になっていない。プロ初登板からの連続試合無敗は、西武・公文が巨人、日本ハム時代にかけて記録した182試合が最長。阪神で最長は桟原将司の116試合。島本の他に主な現役投手では巨人・デラロサが122試合、大江が101試合で継続中。

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2022年8月16日のニュース