明豊・記録員の片岡快君 学生コーチとして、憧れの指揮官の隣で過ごした聖地での3試合

[ 2022年8月16日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権大会・3回戦   明豊2―5愛工大名電 ( 2022年8月15日    甲子園 )

<愛工大名電・明豊>声を出してナインを鼓舞する明豊・片岡快記録員(撮影・坂田 高浩)
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 【いっちーの届け夏エール】明豊の記録員・片岡快君(3年)は学生コーチです。明豊中では主将も務めましたが、高校進学後は力の差を痛感。公式戦出場はかないませんでした。

 昨年末。年内最後のミーティングの後、川崎絢平監督に声を掛けられました。「学生コーチとして力を貸してくれないか?」。選手を続けたい、でも秋の九州大会で九州国際大付に5回コールド負けしたチームも変えたい――。翌日からの帰省中は「頭の中は選手か学生コーチか…しんどかった」と言いますが、父・潤さんと車で2人になった最終日の夜、決断を報告。「それもおまえの人生。応援するぞ」。学生コーチとしてチームを導くことを誓いました。

 最初は思うように飛ばせなかったノックも、仲間との練習で成長しました。3月には同級生がサプライズで赤いノックバットをプレゼント。大分大会の全試合、そのバットでノックを打ち、聖地にたどりつきました。

 憧れの指揮官の隣で過ごした聖地での3試合。グラウンドを去るまで涙が止まりませんでした。全力を尽くした片岡君の次の夢は「川崎監督のような指導者」。“片岡監督”の甲子園での采配、楽しみにしています。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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