打撃だけじゃない!高松商・浅野 “イチ流”走塁で足でも魅せた!…昨年12月イチロー氏から指導

[ 2022年8月16日 04:02 ]

第104回全国高校野球選手権大会・3回戦   高松商2-1九州国際大付 ( 2022年8月15日    甲子園 )

<高松商・九州国際大付>初回1死一、二塁、高松商・山田の左前適時打で本塁に滑り込み、雄叫びをあげる二走・浅野(撮影・坂田 高浩)
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 魅力は高校通算66本塁打を誇る豪打だけじゃない。高松商・浅野翔吾が大舞台で、“イチ流”を実践。1番打者として足で勢いをつけ、チームを52年ぶりの夏8強に導いた。

 「ベスト8という、なかなかなれなかったことをチームで果たせた。イチローさんが教えてくれたことをした結果でもある。“ありがとうございました”と伝えたいです」

 初回、二塁内野安打で出塁すると、見せ場はすぐに訪れた。1死一塁で、打席には右打者の3番・渡辺升。相手左腕の香西一希には「右打者の時、チェンジアップが多い」というデータがあった。初球にスタート。「ギャンブルに近い」とはいうものの、チェンジアップだったこともあり悠々と二塁を陥れた。

 “イチ流”の真骨頂はここからだ。昨年12月、日米通算4367安打を誇るイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から二塁でのリードは「跳ねたりして(シャッフル)リードするんじゃなくて、インパクトの瞬間を見るために静かにリードしなさい」と指導されていた。1死一、二塁から山田一成が左前打を放つと、教わった通りのリードから好スタートを切って生還。結果的にこの1点が勝敗を分けた。

 大会前には目標を8強入りに設定していたが、13日に同級生の4番・本田倫太郎と6番・林息吹の主力2人が離脱。「2人が帰ってくる準決勝か決勝までは負けられない」と“上方修正”していた。決勝進出なら水原茂(元巨人監督など)を擁した1927年以来95年ぶり。「今日勝って(10月の)国体ではあの2人といっしょに戦えるけど、甲子園で戦いたい」。イチ流&一丸で歴史の扉を開く。 (北野 将市)

 ○…エース・渡辺和大もイチローの教えを胸に九州国際大付の強力打線を封じた。「全力の中で形をつくる」重要性を伝えられ、内角攻めを磨き上げてきた。「妥協せず全力でやってきた。相手の中軸は体も大きいし、腕も長い。内角を思い切り攻めるしかない」。3~5番の主軸3人で高校通算107発を誇る大型打線を、7安打1失点に封じた。無四球完投で、2試合17イニングで四死球は0。「歩かせるなら打たれた方がいい」と背番号1は強気だった。

○…高松商が夏の甲子園大会で8強進出するのは1970年以来7度目(過去は優勝2回、4強1回、8強3回)。夏の甲子園で2勝を挙げるのは73年以来(○2―1取手一、○1―0京都商、●3―4銚子商)。

 ○…この日の勝利で同校通算62勝目(夏25勝、春37勝)。明徳義塾に並んで13位タイ。

 ○…香川県勢が甲子園大会で福岡県勢に勝利するのは春夏を通じて初。通算1勝5敗。

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