福島敦彦氏　別次元の強さだった大阪桐蔭　昨年から走攻守すべてを鍛えなおしてきた成果

第94回選抜高校野球大会最終日・決勝   大阪桐蔭18ー1近江 （ 2022年3月31日    甲子園 ）

＜近江・大阪桐蔭＞8回1死満塁、大阪桐蔭・谷口は中越えに満塁本塁打を放ちガッツポーズ（撮影・後藤　大輝）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】優勝した大阪桐蔭は別次元の強さだった。先発メンバーはもちろん、控え選手も含めて決して当てにいかず、投球を手元まで引きつけて大振りすることなく強く振れていた。この日の4本塁打を含めたチーム11本塁打も決して偶然ではない。昨年の甲子園大会では春夏ともに不本意な結果に終わり危機感を抱いたはず。走攻守すべてを鍛えなおしてきた成果が隙のないチームとなり優勝につながった。

　代替出場から一戦ごとにチーム力を上げ、昨夏4強を超える準優勝の近江もすばらしかった。準決勝で左足を痛めた山田君を先発させたことに否定的な見解を持つ人もいるだろうが、現状では山田君中心のチームでグラウンドにいるだけで周囲にも力を与える存在。決勝を戦う上で、スタートとしては最善の選択であり決してマイナスではなかったと思う。

　一方で、夏に向けて「脱山田君」を意識したチームづくりを進めていかないと、目標である日本一に届かないことも肌で感じたはずだ。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）