野村謙二郎氏 いまの阪神には1勝が何よりの薬 状況打開へ全員で打って点を取っていきたい

[ 2022年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー3広島 ( 2022年3月31日    マツダ )

<広・神3>2回、遊ゴロで懸命に走った阪神・秋山が併殺を免れ、先制点を挙げる(撮影・大森 寛明)
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 【野村謙二郎 視点】阪神・秋山は素晴らしい投球だった。相当な重圧があった中で4回までは無安打。打者が打ちに来ればタイミングを外し、見てくるところではストライクをどんどん取る。彼らしい投球を見せた。中盤の失点は責められない。

 打者は1本の安打、投手は一つの白星が薬になるように、いまの阪神には1勝が何よりの薬になる。開幕戦で大逆転され、今回の3連戦もすべて逆転で敗れた。リードしていても、選手やベンチには怖さがあると思う。気持ちは非常に分かる。

 この状況を打開するには打線の奮起しかない。誰か一人の一打や本塁打で空気が変わることを待つのではなく、全員で打って点を取っていきたい。打ち勝って一つ白星を取れば、連勝の可能性も生まれる。まずは1勝だ。

 広島は中崎の復調が大きい。6回に勝ち越した後の継投策。島内を7回から出せたのは、8回に中崎が控えていたからだ。阪神の例があるように、終盤の継投の形が決まらないことは、打線で言えば4番打者を決められないのと同じくらい苦しい状況だ。中崎は3連覇に貢献した経験値もあり、ブルペン全体に波及効果がある。

 攻撃ではマクブルームが機能した。松山を休ませたいタイミングで2試合続けて4番に起用して、はまった。自分の間で打てるのがいい。ボールを追いかけず、引きつけて打てる。オーバースイングにもならない。追い込まれてからも、振り幅を抑えたり、タイミングの取り方をコンパクトにしたり、工夫が見える。率を残してくれそうな予感がする。(スポニチ本紙評論家)

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