ソフトバンク大関 初星の裏に裸シャドー、出げいこ、美声あり

[ 2022年4月1日 07:48 ]

<ロ・ソ3>プロ初先発初勝利の大関(撮影・沢田 明徳)
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 大関の地道な取り組みは、実った。ソフトバンク大関友久投手(24)が3月31日のロッテ戦でプロ初勝利。6回1/3、6安打1失点の粘投だった。中継ぎだった昨季6月4日阪神戦(甲子園)のプロ初登板から13試合目。初白星は試合を作る先発として転がり込んだ。

 「同じ左(投げ)なんですけどね、ほんとアイツは変わってますよ(笑い)。信念をまず、曲げない。ただ努力はしていましたね」

 昨年、筑後ファーム施設で、こう話していたのは新天地で“なべじい”の愛称が浸透した阪神左腕・渡辺雄大(30)。昨季までソフトバンクに在籍。17年育成ドラフト6位で入団後に支配下選手となった。19年ドラフト2位から支配下を勝ち取った大関も同じ境遇だった。

 施設内の風呂でも、稽古をするのが大関だった。脱着場でも浴室でも鏡があれば、左上手の確認。半裸、全裸でシャドーピッチングを繰り返していた。現在、宮崎春季キャンプ中の宿舎の大浴場内、ペイペイドーム内の風呂場でも目撃情報は相次いでいる。

 稽古後に、さらに出げいこにも通った。育成選手時代。筑後ファーム施設での全体練習後に、JR筑後船小屋駅から約1時間の移動を開始。福岡市内、ペイペイドーム近くのジムで初動負荷トレーニングを行い、また筑後船小屋駅へと戻った。労力を惜しまず、背番「122」はアピールへの準備を進めてきた。

 昨年5月28日に支配下登録。背番「42」となった男はプロで百選錬磨の前監督、名左腕・工藤公康氏にも自分の意見を言っていたという。努力とぶれない芯の強さが、大関に結果をもたらした。

 声域でいうバリトン、バスのような美声の持ち主。あまりの“ええ声”に入団時には、声優経験の可否を確認された。弾き語りには行かないが、指先の感覚を鍛えるためにギターも左手で引いた。勝つために、何でもやってきた。そして勝った。聞く者も見る者も魅了する大関が、プロ左腕としての1歩目を踏み出した。

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2022年4月1日のニュース