【野球のツボ】メジャー61勝腕・王建民攻略のポイントは…

[ 2013年3月7日 14:50 ]

2次ラウンドでは細かいミスをなくすことが突破への条件となる

 日本代表は2勝1敗で、A組2位で2次ラウンドに進出。台湾と8日に対戦することが決まった。多くの野球ファンの声援を受けた1次ラウンドの戦い。投打両面ともに反省点、課題が残る形で終わったのは事実だ。

 山本監督以下スタッフも、危機感は当然感じている。2次ラウンドでは、日本をはじめ、どのチームにもチャンスがある。裏を返せば、ひとつのミスが致命傷となって、敗退する可能性があるということだ。

 1次ラウンドでは、随所でミスが出ていた。一発勝負の国際大会では、ミスがチームのリズムを狂わせる。送るべきところで送れなかったり、ヒッティングカウントでボール球に手を出したり…。試合の流れは、こうした局目で相手側に向いてしまう。キューバ戦でも4回無死一塁での松井稼のバント失敗が響いた。

 もうあとがない2次ラウンドでの戦いでは、細かいミスを撲滅することが突破への必須条件。キューバのような破壊力が期待できるチームではないので、ひとつひとつのプレーをきっちりと出来る選手を主体にして打線のテコ入れをすることを検討している。

 そして、ぜひとも欲しいのは先制点。というところで、1、2番をどう組むかがポイント。選球眼がしっかりしていて、足も使える並びという点では「角中、井端」の1、2番という選択もありえる。キューバ戦の長野の打席を見る限り、まだ国際試合のストライクゾーンに対処しきれていない。1、2番でかき回して、日本のペースで試合を進めていくことを選手たちには求めていこうと考えている。

 今回のWBC、投手陣のレベルとしては、決して高くはない。圧倒的な力を持った大黒柱ではなく、打たせて取るタイプが目につく。それだけに、かわされて相手の術中にはまることは禁物。台湾戦で先発が予想される王建民に対しても、低めの変化球の見極めがポイント。投手の足元を狙うシャープなバッティングで、攻略の糸口をつかみたい。阿部は1次ラウンドでノーヒットだったが、キューバ戦での打球は上昇気配を感じさせた。得意の東京ドームでの大暴れを期待したい。(WBCコーチ・高代 延博)

 ◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務める。浩二ジャパンの頭脳。

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