浩二監督「なかなかつながらない」 貧打解消は遠く…

[ 2013年3月7日 06:00 ]

<キューバ・日本>球場を後にする山本監督

WBC第1ラウンドA組 日本3―6キューバ

(3月6日 ヤフオクD)
 怖さを嫌というほど植え付けられた。9回に相手の制球の乱れに乗じて零敗こそ逃れたが、2位で1次ラウンドを終えた山本監督は試合後も険しい表情のままだった。

 「最後は粘ったが、それまでチャンスがあってもつながらなかった。パワーではかなわないわけだから、つないでいかないと。状態のいい選手と悪い選手がいて、なかなかつながらない」

 貧打という課題は1次ラウンド最終戦でも解消されないままだった。内川を腰痛で欠いたとはいえ、クリーンアップは8回まで内野安打が1本だけ。0―2の6回1死一、三塁では稲葉が投ゴロ併殺打に倒れて追い上げムードがしぼんだ。

 一方で、キューバには特大の2本塁打を含む10安打を許して6失点。マスク越しに本気のキューバ打線を体感したのは阿部だった。「力じゃ勝負できない。(ストライク)ゾーンにいい球が来たら、オールフルスイングだから」と驚きを隠せない。昨年11月の強化試合では、2試合でわずか1失点に封じ込めた。当時のキューバは国内リーグの開幕前で、仕上がり途上であるのは分かっていた。それを差し引いても、この日の猛打は想像を超えていた。4回から田中、6回からは沢村が、時に150キロを超す剛球を投げ込んだ。それが、いとも簡単にはじき返された。自身も無安打に終わり、「大事なところでまた当たると思うので、(攻守ともに)研究していかせれば」と話した。

 キューバは力だけではない。4回無死二塁では、国内リーグ本塁打王の5番・アブレウが初球に送りバントを試みた。6回無死二塁では4番・セペダが一ゴロで走者をしっかり三塁に進め、その後の適時打を呼び込んだ。梨田野手総合コーチは「以前のキューバとは違う。日本のいいところを取り入れ、イケイケじゃなく細かいこともやってくる」と警戒を強めた。

 格下のブラジル、中国には苦戦しながら何とか勝ったが、キューバには攻守に主導権を握られたまま完敗を喫した。キューバを含め強豪ぞろいの2次ラウンドに、大きな不安を抱えたまま突入する。

 ▽3大会連続○○● 日本が今大会初の敗戦。これで1次ラウンドは3大会連続で○→○→●の2勝1敗で、2位通過となった(09年のみダブルエリミネーション方式)。1試合6失点は、キューバに10―6と勝利した06年決勝と並び日本のワーストタイ。

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