松坂 初先発3回0封 打者が待っている球種を投げ…

[ 2013年3月7日 06:00 ]

1回、インディアンス先発の松坂から中前打を放つ、ジャイアンツ・田中

オープン戦 インディアンス4―3ジャイアンツ

(3月5日 スコッツデール)
 インディアンスとマイナー契約を結び、メジャー昇格を目指している松坂大輔投手(32)が5日(日本時間6日)、ジャイアンツ戦でオープン戦初先発。初回1死満塁のピンチをしのぐと、5安打を浴びながらも3回無失点に抑えた。これでオープン戦は3試合に登板し、防御率2・57。残る2つの先発枠を6人で争う厳しい戦いは続くが、WBC2大会連続のMVP右腕が粘りの投球で次戦につなげた。
【イ軍オープン戦】

 生き残った。満足いく内容ではないが、今の松坂には結果が全てだ。

 「ラッキーな部分もあったけどゼロに抑えた。走者を出しながら抑えられたのは自分らしい」

 前回登板となった2月28日のレンジャーズ戦で2回を4安打2失点。マイナー契約の身としては、2試合連続で打たれることは許されない。オープン戦3試合目の登板で待望の初先発。昨季世界一のジ軍相手に、初回いきなり大ピンチを迎えた。1死後に田中からの3連打で満塁。それでも次打者は、左翼手の好返球もあり左飛併殺。続く2回も1死一、二塁で投ゴロ併殺に仕留め、何とかしのいだ。

 結果を最優先しながらも、実戦でしかできない確認作業も行った。同戦では「2段構え」の投球を披露。走者のいない場面ではカットボールやツーシームなど直球系で押した。たとえ打者が狙っているカウントでもだ。「待っている球種をそのまま投げて、しっかり抑えるのが一番いい」。自身の現状把握。一方で、走者を背負ってからはチェンジアップ、カーブなどの球種で緩急も駆使して得点を許さなかった。体が温まった3回は3者凡退で終えた。

 この登板間は調整法を変更。100メートル近い遠投を取り入れた。「まだ体が(右肘手術前と同じで)どこかで痛むのを怖がり(動作を)かばってしまう癖がある。体を大きく使って投げる必要があった」。体をダイナミックに使えれば球威、球速は自然と上がる。この日は最速90マイル(約145キロ)でも「自分の感覚としては少し速くなってきた」と話した。登板後は再びブルペンで21球を投じた。

 テリー・フランコナ監督はピンチを脱した投球を称えながらも「先は長い」とした。現時点で首脳陣は松坂を中継ぎで起用するプランはなく、先発枠を勝ち取らないことにはメジャーに昇格することはできない。契約上、球団のメジャー昇格の判断は今月26日(日本時間27日)が期限。「結果を一番大事にして先発としてやらなくてはいけない」。無駄にできるマウンドは1試合もない。

 ▽イ軍の先発陣 開幕投手のマスターソン、ヒメネス、マイヤーズの3人が確定。残り2枠を松坂ら6投手で争っている。中でも好調なのが松坂と同じマイナー契約を結んでいるカズミアー。登板したオープン戦は2試合ともに中継ぎ登板ながら無失点だ。昨季途中から先発に定着し、22試合先発で6勝(8敗)を挙げたマカリスターは好不調の波が激しく、3試合登板で防御率6.43となっている。

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