【スピードスケート】高木美帆 1000メートルは銅「不思議な時間差」表彰台で安堵が悔しさに

[ 2026年2月11日 05:10 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪 スピードスケート女子1000メートル ( 2026年2月9日    ミラノ・スピードスケートスタジアム )

銅メダルを獲得した高木美帆(撮影・小海途 良幹)
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 女子1000メートルが行われ、2連覇を狙った高木美帆(31=TOKIOインカラミ)は1分13秒95で銅メダルだった。今大会の初レースで夏冬通じ、自身が持つ日本女子最多メダル数を「8」に伸ばした。収穫と課題を手にし、500メートル、団体追い抜き、本命の1500メートルと残る3種目で巻き返しを図る。山田梨央(28=直富商事)は7位、吉田雪乃(23=寿広)は16位だった。

 表彰台から見えた景色は、自らの立ち位置と可能性だった。高木は銅メダルを首にかけると正直に思った。「この色が今の私の実力なんだな」。安堵(あんど)感はすぐに消え、悔しさに変わった。感情の変化を明確に感じ「不思議な時間差だった」と振り返った。

 最終組で同走のレールダムに200メートルまで先行した。力強い滑りに押され、すぐに突き放された。「1000メートルはあまりレースプランもなく、行くだけ。」。最大出力で滑り続けたが、五輪記録を叩き出したライバルは1秒以上も先にいた。日本女子最多メダルを「8」まで積み上げたが、複雑な思いが湧き上がる銅メダル。「7個のメダルはもう過去のもの。今、私は目の前のレースのことを考えている」と語った。

 北京五輪後、引退も頭をよぎった。だが、世界記録を持つ本命1500メートルで金メダルを手にしていない。「五輪の1500メートルを真っすぐに見ていく」と再び奮い立った。日本スケート連盟のナショナルチームを離れ、自らで「チーム・ゴールド」を結成。オランダ人コーチのヨハン・デビット氏とともに成長を目指す選手が共鳴。創意工夫を重ねながら日々を歩んできた。

 ある時、姉・菜那さんと人生論を語り合ったことがある。「壁ってどう捉えているの?」。姉の問いかけに、高木は言った。「どこまで高いかが見えなかったら壁じゃないじゃん」。そして続けた。「“この壁”って思った瞬間は、もう壁の高さが分かる位置に来てるってこと。もう越えられるものが壁なんだろうね、きっと」。高木にとって見えている壁は1500メートルの栄光。登頂まで最終局面に入った。

 冬季では日本女子初となる五輪連覇を逃したが、1つ目のメダルは収穫と課題をもたらした。「まだまだいけると強く信じて進んでいきたい」。ミラノの挑戦は、始まったばかりだ。

 ◇高木 美帆(たかぎ・みほ)1994年(平6)5月22日生まれ、北海道幕別町出身の31歳。5歳でスケートを始める。「天才少女」として15歳で10年バンクーバー五輪に出場。14年ソチ五輪は代表選考会で落選。今回は3大会連続4度目の出場となる。19年3月に出した1500メートル1分49秒83は現在の世界記録。家族は両親と兄、姉・菜那さん。身長1メートル65。

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