【ノルディック複合】渡部暁斗ラスト五輪初戦は“写真判定”で11位 「季節外れの満開の桜を」

[ 2026年2月11日 22:17 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪 第6日 ノルディック複合   個人ノーマルヒル(前半飛躍ヒルサイズ=HS107メートル、後半距離10キロ) ( 2026年2月11日    プレダッツォ・ジャンプ競技場、テーゼロ距離競技場 )

<ミラノ・コルティナ五輪 ノルディックスキー複合個人ノーマルヒル>後半距離、ゴールする渡部暁斗(撮影・小海途 良幹)
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 今季限りでの現役引退を表明している3大会連続メダリストの渡部暁斗(37=北野建設)は「ラスト五輪」最初の種目で11位だった。

 前半飛躍で100メートルを飛び、トップと41秒差の11位で後半距離をスタート。序盤に14位へ下がり、2.5キロ過ぎに山本涼太(28=長野日野自動車)をかわして13位へ浮上した。7.5キロには一時10位まで上げたが、最後はビンツェンツ・ガイガー(28=ドイツ)と一緒にフィニッシュし、写真判定で競り負けた。山本は15位、谷地宙(25=JAL)は23位。ノルディック複合は17日に個人ラージヒル、19日に団体スプリントが予定されている。

 1998年の長野五輪が、競技者・渡部暁斗の原点だった。小学3年生の時、ジャンプ団体で日本が優勝を果たした瞬間の大歓声。「スイッチになった」。ここから、競技にのめり込んでいった。

 長野・白馬高2年で06年トリノ五輪に出場し、09年世界選手権で団体金メダルに貢献。しかし当時は飛躍が得意なだけで、トップ選手ではなかった。「飛べて走れる複合の選手」を目指し、W杯を転戦中も距離が強い選手をビデオで研究。リズミカルで無駄の少ない滑りを追求した。

 努力が形になったのが12年。「ターニングポイント」というW杯初制覇を飾る。くしくも最後の五輪の舞台となるバルディフィエメが舞台だった。その後17~18年シーズンには総合優勝に輝き、14年ソチ五輪、18年平昌五輪で個人銀の2大会連続メダル、2年北京では個人と団体で銅メダルを獲得。複合界の先頭を走り続けた第一人者は、今季限りでの引退を決めている。

 37歳が、頭に思い浮べるのは徒然草の一節。「花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは」。昨季途中、読書用タブレットのおすすめに表示され、現代語訳を読んだ。「満開の桜や満月はその瞬間だけでなく、芽吹いてから散り際や月の満ち欠けという全てを通してこそ、本当の美しさや趣を感じられると」。自身の競技人生に重ね、背中を押された。

 W杯では21年3月を最後に個人の表彰台がない。厳しい戦いになることは承知の上でで、集大成の舞台に全てをぶつける覚悟。「季節外れの満開の桜を咲かせたい」。その思いを胸に戦う。

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