有森裕子氏 海外選手は給水で仕掛けてくる…パリ五輪本番へ必要となる“順応力”

[ 2024年3月10日 17:20 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2024年3月10日    バンテリンD発着の42・195キロ )

パリ五輪・マラソン女子代表の(左から)鈴木優花、一山麻緒、前田穂南
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 残念ながら前田さんの記録を上回る選手は出ませんでしたが、優勝した安藤さんも3位の鈴木亜由子さんも自己ベストを更新したのは立派でした。日本記録の2時間18分59秒という高い壁があったからこそ最後まで諦めずに粘れたのでしょうし、これから続く選手たちには普段から2時間15~16分台をイメージした練習に取り組んで欲しいと思います。

 パリ五輪代表に内定した一山さんと前田さんは前回東京大会の経験者、鈴木優花さんは初めての挑戦ですね。経験は有利にも働きますが、気負いにつながることもあるので2人には気をつけて欲しいし、経験がない鈴木さんには純粋に当たって砕けろのようなつもりで思いきったレースを期待したいです。

 大事なのはどんなレース展開になっても対応できるだけの順応力を身につけること。たとえば今回もそうでしたが、海外選手はよく給水ポイントで仕掛けてきます。ところが日本の選手はボトルを取ることに集中しすぎるあまり、相手の姿を一瞬見失って、気がついたら離されていたということが多い。パリ五輪は真夏のレースになるので、給水の失敗は許されません。そのあたりの対策までしっかりして臨めば、8位入賞はもちろん、メダル争いに絡むことも可能だと思います。(五輪2大会連続メダリスト)

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