【玉ノ井親方 視点】波乱の初日で光った新大関・琴ノ若の落ち着き “プランB”で熱海富士に完勝

[ 2024年3月10日 20:30 ]

大相撲春場所初日 ( 2024年3月10日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所初日>琴ノ若は熱海富士(手前)をはたき込んだ(撮影・奥 調)
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 1横綱、2大関が敗れる波乱の初日。その中で新大関の琴ノ若の落ち着いた取口が際立っていた。立ち合いで右にズレながら当たって右差しを狙ったが、差せないとみるやすぐに左で上手を取りにいく。Aプランが駄目ならBプランと次々に攻め手を繰り出すうまさが琴ノ若の持ち味。体重がある上に自分から動いているため、馬力がある相手でも簡単に押し込まれない強さがある。何とか前に出ようと低い姿勢になった熱海富士を上からつぶすようにはたき込んだ。成長著しい新鋭に何もさせない完勝だった。

 横綱は錦木を土俵際まで押し込んだものの、詰めが甘かった。右四つ十分の体勢になり“よしっ”と思ったのだろう。気持ちがはやって、上体がかぶさるような形になった。そこを腰の重い錦木に逆手に取られた。横綱でも初日は落ち着きを失ってしまうのが、相撲の難しさであり怖さだ。(元大関・栃東)

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