マスターズの注目は米ツアー勢対LIV勢の因縁対決　丸山茂樹が挙げる優勝候補筆頭は？

丸山茂樹
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　【福永稔彦のアンプレアブル】ゴルフの祭典マスターズが6日にジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕する。今年のオーガスタでは、米ツアー勢とLIVゴルフ勢の“因縁の対決”が注目を集めそうだ。

　「LIVの選手が結構出るよね。そこをがっちり抑えるためにPGA軍（米ツアー勢）がしっかりやると思うよ」と話すのは米ツアー3勝の丸山茂樹だ。

　LIVゴルフとは、サウジアラビアの政府系ファンドがバックアップする新ツアー。初年度の昨年は6月に開幕し計8試合が行われた。予選落ちなしの3日間54ホールのストロークプレー、ショットガンスタートなどの試合方式に賛否両論が出たものの、高額賞金に引かれ米ツアーの大物が続々と参戦した。一方、スターを引き抜かれた米ツアーはLIV勢を追放し、米ツアーに残った選手も批判の声を上げ、対立の図式が出来上がった。

　LIV勢にはフィル・ミケルソン、セルヒオ・ガルシア、パトリック・リード、ダスティン・ジョンソンとマスターズ歴代王者が名を連ねる。丸山は「LIV組は相当強いメンツで、言ってみればWBCの侍ジャパンだよね」と彼らの実力を評価しながらも「（LIV勢は）ぬるま湯に足を入れている。3日間しか戦わないし、予選落ちの危機感もない。コースセッティングも厳しそうに見えない。マスターズで予選落ちしたら“ほら見たことか”と言われる。プレッシャーがかかると思うよ」と指摘する。

　丸山が優勝候補筆頭に挙げるのが、昨季の米ツアー年間王者でLIVを批判し続けるロリー・マキロイだ。「マキロイは意地を張って頑張ると思う。そこ（LIVゴルフ）に対してメインで語っている人だからね。“絶対あいつらには譲らないぞ”と闘志に100倍火が付く」とLIV勢に対して対抗心を燃やしてくると予想する。

　マキロイは全米プロで2勝、全米オープンと全英オープンも制しており、マスターズに勝てばキャリアグランドスラム達成となる。昨秋CJカップで優勝し、今年3月のアーノルド・パーマー招待2位、デルテクノロジーズ・マッチプレー3位と今季も好調だ。

　マスターズでは、4打リードの首位で臨んだ11年の最終日に80を叩き初優勝を逃した苦い記憶もある。ただ昨年は最終日に64をマークし2位に入るなどオーガスタ攻略法は熟知している。

　予選ラウンドは米ツアー勢のトム・キム、サム・バーンズと回るが、決勝ラウンドではLIV勢と同組になるかもしれない。丸山は「相当険悪なムードになるんじゃないかな。LIV勢対マキロイの対決が一番の楽しみだね」と話す。過去に数々の名勝負を生んできたマスターズ。今年は例年にも増して熱い戦いが繰り広げられることになりそうだ。（スポーツ部専門委員）