【大相撲トーナメント】大栄翔が初優勝「良い流れでいける」三役復帰濃厚の春場所へ弾み 珍しい技も披露

[ 2023年2月5日 19:49 ]

<大相撲トーナメント>初優勝を果たし、笑顔の大栄翔(左)と準優勝の豊昇龍(撮影・前川 晋作)
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 第47回大相撲トーナメントが5日、東京・両国国技館で行われた。コロナ禍で中止が続いており3年ぶりの開催となった。

 幕内トーナメントは大栄翔(29=追手風部屋)が初優勝。「久々のこういう大会で良い結果を残せてよかったです」と笑顔を見せた。3回戦で大関・貴景勝(26=常盤山部屋)を撃破。突っ張り合いから右四つに組み合い、両まわしを引き付けて寄り切った。「一番強い人に勝ったので優勝しないと」と“殊勲の星”から勢いに乗った。決勝は関脇・豊昇龍(23=立浪部屋)と対戦。「今一番若手で強い力士なので、気持ちだけ負けないようにいきました」。得意の突っ張りで一方的に突き出した。獲得した優勝賞金は250万円。使い道を問われると「部屋の若い力士たちとご飯でも行こうかな」と大栄翔らしい優しい一面を見せた。

 準々決勝では、長身1メートル91の東龍(35=玉ノ井部屋)を相手にもろ差しから豪快なつり出しを決めた。本場所であまり見せない技に「あれはたまたまなので」と苦笑い。「しっかり突き押しを強化したいと思います」と得意技に徹することを力強く宣言した。1日で何番も取るトーナメントを勝ち抜いて優勝するのは、プロでは初めて。アマチュア時代も含めると、埼玉栄高3年だった12年前の春季埼玉県大会(関東予選)以来となる。当時は左四つからの吊り寄りを得意としており、奇しくも「つり出し」で準決勝と決勝を制していた。この日見せた「つり出し」には、そのような吉兆があったのかもしれない。

 初場所は西前頭筆頭で10勝を挙げ、三役復帰が確実な状況。好調を持続させ「気持ち的にも良い流れでいけると思う」と春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)へ弾みをつけた。既に部屋では申し合い稽古を再開しているという。「まだ春場所まで時間あるので、ここからしっかりやっていきたいと思います」。巡業のない2月は部屋での稽古に専念しやすい時期。関取が6人もいる充実した環境で技量を磨き、来たる本場所へ備えていく。

 ▽準々決勝
妙義龍(送り出し)琴ノ若
豊昇龍(すくい投げ)碧山
阿武咲(押し出し)遠藤
大栄翔(つり出し)東龍

 ▽準決勝
豊昇龍(寄り切り)妙義龍
大栄翔(突き落とし)阿武咲

 ▽決勝
大栄翔(突き出し)豊昇龍

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2023年2月5日のニュース