新小結・若元春 史上3組目の兄弟同時三役「非常に光栄」 謙虚に語る目標は「バーター卒業」

[ 2022年12月26日 14:21 ]

新小結昇進が決まり、番付表を手にする若元春(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は26日、初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。新小結に昇進した若元春(29=荒汐部屋)が都内の同部屋からオンライン会見を行った。

 弟の関脇・若隆景(28=荒汐部屋)とともに、史上3組目となる兄弟同時三役が誕生した。逆鉾・寺尾(現・錣山親方)兄弟、3代目若乃花・貴乃花兄弟に次ぐ快挙に「非常に光栄なことだと思いますし、同時に荷が重いというか、そこに肩を並べて大丈夫かなと思います」と心境を語った。「2人で上がったからには(弟の)足を引っ張らないようにと思いますね。負け越してすぐ落ちてしまうと兄弟でかっこつかないので」。兄弟三役として注目が集まることに喜びながらも不安な思いも口にした。

 兄の幕下・若隆元(30)とともに3兄弟で幼い頃から相撲に親しんできた。「自分はもともと相撲が好きじゃなかったので、兄と弟がいたからこそ続けてこられた」と感謝。「三男坊がいたから僕もここまで登ってこられた」と、先に出世していく弟の存在は刺激にもなった。常に控えめな性格の若元春は、弟と同じ三役の地位に番付を上げても「今も“バーター”でいるつもり」と謙虚に話す。「弟が残した成績には追いついていないけど、ここから先頑張って“バーター”卒業できるようにと思います」と笑いながら、次期大関候補1番手の若隆景に負けない活躍を夢見た。

 自身のしこ名の上に「小結」と書かれた番付表を見て「まだ現実味がないというか、受け止め切れていない」と感想を述べた。新入幕からちょうど1年で三役まで駆け上がる出世ぶりにまだ気持ちが追いついていないようだ。新入幕から3場所連続で9勝、そして横綱初挑戦を経験した名古屋場所の負け越しをはさんで2場所連続10勝と大活躍の1年。「躍進できたんじゃないかと思います。自分の相撲人生の中で間違いなく一番良い年にできたと思います」。今年残した成績に、控えめながらも確かな手応えを得た。

 新三役場所での目標は「上がったからには三役らしい相撲」を取ること。「攻め込まれても負けない、相手の相撲になっても負けない強さ。負けているイメージがつかない人こそが三役なのかなと思う」と理想の“三役像”を語った。自身を「現実主義」と称する謙虚な姿勢は崩さない中でも「強い三役になれるように頑張りたい」と三役の自覚をにじませた。

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2022年12月26日のニュース