宇野昌磨 全日本3年ぶり5度目V 演技時間オーバーしても攻め続け「内容がうれしい」 世界選手権連覇へ

[ 2022年12月26日 04:40 ]

フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2022年12月25日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

圧巻の演技を見せる宇野(撮影・長久保 豊)
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 男子フリーが行われ、昨季の世界選手権王者の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)がショートプログラム(SP)に続きトップの191・28点をマークし、合計291・73点で3年ぶり5度目の優勝を果たした。2連覇が懸かる来年3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の出場権を獲得した。島田高志郎(21=木下グループ)が252・56点で2位。友野一希(24=上野芝クラブ)が250・84点で3位に入った。

 演技後、宇野は苦笑いだった。演技が時間内に終わらず、無音の会場で最後のスピンを継続。前半のミスを挽回する意図で初めて組み込んだ終盤の3回転半―2回転半―2回転半の3連続技で音楽とのタイムラグが生じ、演技時間オーバーで減点となった。

 「曲からめちゃめちゃ遅れる覚悟だった。点数を追求した時に、曲から遅れるよりもアクセルをつける方が点数伸びると思った」。今できるベストを考え、攻め続けた結果だけに「素直に優勝、演技内容がうれしい」とうなずいた。

 百戦錬磨の修正力がさえた。序盤の4回転サルコーの回転が抜け、フリップは転倒。だが、そこで踏みとどまった。予定していた3回転半からの連続技を抑え、あえて単発に。「いったん落ち着いてから後半しっかりやった。冷静に自分の状況を再現できた」。仕切り直しの後半に4回転トーループからの連続技2本を決め、得点を稼いだ。

 北京五輪翌シーズンでも、世界王者は燃え尽きとは無縁だ。「何かの大会で成績を残したいという意思でスケートをやっていない。だからこそ、五輪や世界選手権が終わってもモチベーションが全く衰えることはない」と宇野。ステファン・ランビエル・コーチをはじめ周囲の理解もあり、毎日の充実した練習が積めている。

 11月のNHK杯後にコーチとの「行き違い」があったという。「1年前の方がより高みを目指して練習していたんじゃないか?」というコーチの助言に、宇野は「一日たりとも後悔するような練習はしてこなかった」と感じていた。スイスでの練習やイタリアでのGPファイナルでともに過ごし、より深く分かり合えた。コーチは「やりたいようにやっていってほしい。それに僕たちがついていく」と背中を押した。

 連覇の懸かる世界選手権も、あくまで成長を示す場と捉える。「何をやり残しているのか、表現したいのか、成し遂げたいのかを追求したい」と宇野。さらに高難度の演技構成も視野に、自らの理想を求め続けていく。

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2022年12月26日のニュース