蝉川 ほろ苦「10点」プロデビュー パッティング不調74…70位発信に厳し目自己採点

[ 2022年11月4日 04:50 ]

男子ゴルフツアー マイナビABCチャンピオンシップ第1日 ( 2022年11月3日    兵庫県 ABCGC=7217ヤード、パー70 )

第1日、13番のバーディーパットを外す蝉川
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 ほろ苦いプロデビュー初日となった。アマチュア選手として史上初めてツアーで2勝し、今週プロ宣言した蝉川泰果(21=東北福祉大)はパッティングが不調で、2バーディー、4ボギーの74と伸ばせず、70位と苦しいスタートとなった。今季2勝を挙げている河本力(22=フリー)が、7アンダーの65で単独首位。蝉川と同組で回った石川遼(31=CASIO)は75と落とし、82位と大きく出遅れた。

ツアー出場試合3連勝どころか、プロデビュー戦は屈辱の予選落ちすら危ぶまれる状況に追い込まれた。2オーバーの70位でホールアウトした蝉川は「いやー、悔しいですね」と表情をこわばらせた。
 不調の原因はパットだった。18番で90センチを外すなど、カラーからパターで打ったものを含めれば実に「5回も“3パット”している」と苦笑いした。「完全に左に出ていた。読みもストロークも全部悪かった。こんなこと初めて。下手になった感じです。時間がかかるかもしれません」

 優勝した日本オープンから3週連続の試合。疲労もあるのか「体のバランスが悪くなっているのかもしれません。目の感覚がおかしかった」と分析。普段は強気の男が「今は予選カットのことを凄く気にしています」と漏らすほどだった。

 会場のコースは実家から車で20分の地元。この日は「SEMIKAWA」と書かれたピンクのタオルを掲げた約50人の応援団が声援を送った。祖母の峰子さん(80)も「ゴルフ場で応援できるのもこれが最後だと思ってきました」とロープ際を歩きながらプレーを見守った。

 初日にパー以上を叩くのは、今年出たツアー6試合の中で初めて。自己採点も「10点」と厳しかったが「3パットがなければ逆に3アンダー。ショットは悪くない。予選通過ではなく、上を見てやりたい」と切り替えた。男子ゴルフの歴史を塗り替えた男が、このまま見せ場もつくれず終わるわけにはいかない。

 《小平集中(69)11位》女子プロの古閑美保との離婚が明らかになった小平はラウンド後「記事の通りです」と硬い表情で話した。ただ、経緯や時期については「あまり話すことじゃないので」と話題を避けた。

 周囲の雑音を封じるようにプレーに集中したこの日は15番でイーグルを奪うなど69で回り11位と上々のスタートを切った。「調子は悪くないので、落ち着いてやれたのが最後の上がり(4ホールで1イーグル、2バーディー)につながったと思います」と手応えを口にしていた。

 《遼15番で急降下》蝉川と同組で回った石川は5、6番と連続バーディーを決めるが、終盤に落とし穴が待っていた。15番で第1打が左OBとなりダブルボギーで急降下した。「朝の練習から思った通りにスイングできなくて、なるべく打ちたくないというくらい悪かったですね」と苦笑い。1番でともにバーディーを奪いながら、スコアを崩した蝉川については「変わらずポテンシャルは凄かった。タッチが合えば60台という感じですね」と評価していた。

 ▼1位河本力 思った通りのショットが打てて、取りこぼしが少なかった。毎日、冷静に大人のゴルフをしたいと思います。(持ち前のパワーを生かし今季自己ベストタイの65)

 ▼2位今平周吾 日本オープンからスイングのイメージを変えてショットが良くなった。コースのレイアウトは自分に合っていると思っている。(今季3勝目へ好スタート)

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