おかえり、萌寧 ツアー100戦目を自ら祝う逆転連覇 実を結んだスイング修正

[ 2022年8月29日 04:00 ]

女子ゴルフツアー ニトリ・レディース最終日 ( 2022年8月28日    北海道 小樽CC=6655ヤード、パー72 )

18番、ウイニングパットを決めガッツポーズを見せる稲見(撮影・西尾 大助)
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 昨年大会覇者の稲見萌寧(23=Rakuten)は2打差の2位から出て3バーディー、1ボギーの70で回り通算9アンダーとし、6月のリシャール・ミル・ヨネックス・レディース以来となる今季2勝目、通算12勝目を逆転Vで飾った。ショットがさえ、ツアー屈指の難コースを攻略。ツアー出場100戦目となった節目の一戦に自身初の大会連覇で花を添えた。

 恐怖心を振り払い、腕を振った。パー4最長の420ヤード、難関16番の第1打はフェアウエーに伸びた。優勝争いも終盤。稲見は「狭く感じた。でもやり切るしかないと腕を振りました」。第2打はグリーン左に外すが、恐怖心の消えた稲見は強い。残り25ヤードを58度でベタピン。一方、首位に並んでいた山下は第1打を左に曲げてボギー。明暗を分ける一打となった。

 ショットメーカーが帰って来た。ヘッドがインからアウトに抜け、持ち球のフェードが打てなくなっていた。3週前からカット気味の軌道への修正に着手。飛距離は約10ヤード伸び、弾道も見違えた。フェースがやや左にずれていたパットも改善。稲見は「一つ一つ解決され、それがかみ合ってきた」と実感を込めた。

 今回、キャディーはプロコーチの黒宮幹仁氏が務めた。畑岡奈紗も指導する同氏は「シンプルにうまくて再現性が高い。要求したところに緩まず打てる」と目を細める。終盤に進むほど口数が増えたのも好調のバロメーター。黒宮氏は相談に乗りながら、時に質問にボケて笑いも誘うなど難コースでの大会連覇をアシストした。

 出場100戦目での通算12勝目。父・了さんは「東京五輪や10代最後の試合(初優勝の19年センチュリー21レディース)など記念に強い」と笑う。昨季は今大会を制した後、さらに2勝を重ね、賞金女王に突き進んだ。この日、上下真っ白なウエアでコーディネートした稲見は「(緑の優勝)ブレザーが映えるようにだと思います」と陽気におどけてみせた。今年も稲見の季節はここから始まる。

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2022年8月29日のニュース