昨季一人の首も切らなかった埼玉・飯島均GM “熊谷密着”で成功 

[ 2022年5月30日 05:30 ]

ラグビーリーグワン プレーオフ決勝   埼玉18―12東京SG ( 2022年5月29日    国立競技場 )

<埼玉・SG東京>リーグワン初代王者に輝き歓喜する埼玉の選手たち
Photo By 代表撮影

 「あなたの街から、世界最高をつくろう。」をキービジョンに掲げるリーグワン。初年度に群馬県太田市から埼玉県熊谷市に拠点を移した埼玉の優勝は、リーグ全体に地域密着の成功例を見せつけた。数年間かけて移転を実現した飯島均GMは「日本には1万人規模のスタジアムが50くらいある。地域活性を名目にして移転するのが現実的」と力説する。

 今季の1部は名称に「東京」が付くチームが5つ。うち3つは都内に拠点を置き、主催試合の会場確保に苦心した。一方の埼玉は19年W杯の会場になった熊谷に早くから目を付け、官民連携事業で練習施設を整備。元々備わっていた戦力との相乗効果は絶大だった。

 「チームづくりは植木に似ている。剪定(せんてい)しないと下から腐る」が持論の飯島氏。時としてシビアな人事を断行して常勝軍団をつくり上げたが、昨季終了後は自らの意思で引退や移籍した選手を除き、一人の首も切らなかった。「努力してこうなったという(成功)体験をしてもらいたかった」。熊谷に根付いたウイニングカルチャーは、今後も枝葉を伸ばしていく。

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2022年5月30日のニュース