小祝 今季初優勝 新コーチと習得フェードボール開花

[ 2022年5月30日 05:30 ]

リゾートトラスト・レディース 最終日 ( 2022年5月29日    山梨県上野原市 メイプルポイントGC=6580ヤード、パー72 )

<リゾートトラストレディース・最終日>優勝し母・ひとみさん(前列右)ら応援団と共に笑顔を見せる小祝さくら(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 黄金世代の小祝さくら(24=ニトリ)が今季初優勝を飾った。2位に2打差をつけてスタートし71で回り、通算17アンダーでツアー通算7勝目。メジャーの全米女子オープン挑戦前に最高の弾みをつけた。2打差の2位にサイ・ペイイン(31=台湾)と菅沼菜々(22=あいおいニッセイ同和損保)が入った。

 64のコースレコードタイを記録した前日から一転。気温30度を超える暑さの中、小祝はパットに足を引っ張られ、3度も同組のサイ・ペイインに追いつかれる苦しい戦いを強いられた。それでも、勝負どころの13番で1カップ右に切れる7メートルのスライスラインを見事に読み切り、優勝をたぐり寄せるバーディーパットをねじ込んだ。「あのパットは(同組の桑木)志帆ちゃんのラインが参考になりました。自信を持って打てました。凄く大きなパットでした」

 3日目の貯金が生きた。「昨日がなければ優勝できませんでした」。その逃げ切りVを演出したのが、今季新たに習得したフェードボールだった。昨年の後半から持ち球のドローの曲がり幅がきつくなり、フェードに活路を見いだそうとしたが、一人の力ではうまくいかず、ネットの動画レッスンで探し出した新コーチの吉田直樹氏と二人三脚でスイング改造に取り組んできた。

 予選落ちした前週も週末に吉田コーチとスイングを再修正。今週はティーショットの際に立つ位置を右端に徹底し、左サイドを広く使うイメージでフェードを操った。過去6勝はドローボールでの優勝だったが、初めてフェードでツアーを制した。「チャレンジだったので心配の方が多くて、そういう意味では頑張って早く勝てた方だと思います」

 メジャー参戦に弾みをつけた。きょう30日に全米女子オープン(6月2日開幕、米ノースカロライナ州パインニードルズロッジ&GC)に出場するため渡米する。国内の連続試合出場は歴代4位の142で途切れるが「挑戦したい」という気持ちを優先した。前回挑戦した20年は予選落ち。これで日本ツアーでの獲得賞金4億円を突破。98年度生まれの「黄金世代」では初めてとなった。「(畑岡奈紗や渋野日向子ら)同世代や年下の古江さんが頑張っているのは刺激になります。まずは予選通過が目標です」。桜の季節は過ぎても、ニュー小祝が新たな花を咲かせるのはこれからだ。 (大渕 英輔)

続きを表示

この記事のフォト

2022年5月30日のニュース