ロコ2大会ぶり日本一締め 北京銀の偉業から3カ月 地元凱旋で圧倒も藤沢「うれしいというより安堵」

[ 2022年5月30日 05:30 ]

全農日本選手権最終日   ロコ・ソラーレ7―3中部電力 ( 2022年5月29日    北海道北見市・アドヴィックス常呂カーリングホール )

優勝し、抱き合って喜ぶロコ・ソラーレの(左から)吉田知、藤沢、吉田夕、鈴木=5月29日、北海道北見市のアドヴィックス常呂カーリングホール(代表撮影)
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 男女決勝が行われ、女子は北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレが世界選手権代表の中部電力を7―3で下し、2大会ぶりに優勝。日本カーリング史上初の快挙を成し遂げたシーズンを3度目の日本一で締めくくった。男子はSC軽井沢クラブが札幌国際大を11―7で下して5大会ぶり9度目の優勝。ロコ・ソラーレとともに11月に開催予定のパンコンチネンタル選手権の出場権を獲得した。

 泣いても笑っても今季最後の試合。最後に笑ったのは「マスト・ハブ・ファン(絶対に楽しむ)」をチーム目標にしていたロコ・ソラーレだった。2月に北京五輪が開催された影響で5月開催となった日本選手権で2大会ぶりに女王の座を奪還。スキップの藤沢五月は「うれしいというより安堵(あんど)の気持ちが大きいけど、長かったシーズンをチーム全員で戦い抜けたことは良かった」と笑みを浮かべた。

 昨年9月の日本代表決定戦で2連敗の崖っ縁からミラクル3連勝で代表の座をつかみ、12月の最終予選で2位となって出場した北京五輪で銀メダルを獲得。長いだけでなく、負けられないプレッシャーを背負う大会が続いたシーズンだった。
 北京にピークを合わせたため、日本選手権に向けてモチベーションが上がらない時期もあったが、五輪決勝で敗れた悔しさがあり、また、新たに加わった松村雄太コーチから提示されたスイープなどの課題の克服に挑戦しようと決めたことで気持ちが高まった。

 この日の決勝では序盤に我慢の展開を強いられながら第4エンドに2点を奪うと、第5エンドにはサード吉田知那美の好ショットで相手に傾きかけた流れを引き戻し、後半に突き放した。吉田知は「そして楽しむだけじゃなく、パフォーマンス的にもシーズンベストに近いカーリングができた」と胸を張る。

 若い力が台頭する中でロコ・ソラーレが、その実力を誇示し、さらに成長している姿をも示した。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ、吉田知は「一年一年をより濃く、より強く、より成長していけるか。一年をどう過ごすかの積み重ねで見えてくるものだと思う」と4年後を見据えた。 (大内 辰祐)

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