萌寧 22年は“自分超え”計画「自分の記録は自分で塗り替えたい」、苦しんだ腰痛も改善

[ 2022年1月31日 05:00 ]

北谷津ゴルフガーデンでの練習を公開した稲見(撮影・西祐介)
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 女子ゴルフの稲見萌寧(22)が30日までに練習拠点の千葉市・北谷津ゴルフガーデンで取材に応じた。21年は東京五輪で銀メダルを獲得し、国内ツアーでは年間8勝を挙げて賞金女王に輝いた。平均ストローク、パーオン率など主要部門別成績でも軒並みランキング1位となった稲見は「自分の記録は自分で塗り替えたい」と話し、22年は“自分超え”を目指す。(取材・構成 福永稔彦、中村文香)

 「今季の総合的な目標は決めない」と言う稲見だが譲れない聖域はある。昨季部門別成績が印刷されたシートを渡されると、赤ペンでパーオン率を丸く囲み「誰にも負けないように」と記した。さらに平均パット数のランキングには「良き」。パーセーブ率には「頑張る」と書き添えた。

 「パーオン率は19年(78.2079%)が(歴代)一番良い。それを誰かに抜かれることは阻止したい。自分の記録は自分で塗り替えたい。80を超えたいというのはある。平均パット数はだいぶ良くなったと思う。パーセーブ率はより全部できるように頑張りたい」

 昨季は部門別成績で軒並み1位。平均パット数(パーオンホール)も43位から2位に躍進しパーセーブ率は驚異の90%超え。22年はさらに高いレベルを目指す。そのために今月、沢木弘之トレーナー(45)と契約を結んだ。まだ2週間ほどだが、ケアとストレッチの効果で体の柔軟性が増し昨年苦しんだ腰痛も改善している。

 「昨年腰を痛めて初期対応を間違えた反省があった。新しいトレーナーさんと出会い、ケアを受けたら何年も悩んできた首の凝りや柔軟性が1週間で半分くらい治った。今年はケガなくできるのではないかと思っている」

 沢木トレーナーのメニューをこなすことでスイングも進化を遂げる。ポイントは「捻転」だ。上半身をねじることでショットの安定感が増し、飛距離アップも望めるという。

 「(目的は)安定性です。体が硬くて回らなかったので、上半身の可動域を広げるようにしている。去年は全く捻転していなかった。ゼロを半分くらいにできれば。練習とトレーニングと合わせて今年はよりパワーアップできたらいい」

 東京五輪銀メダリスト、賞金女王はオフも大忙し。練習量は例年の約40%に減ったが、2月には練習を本格化させ、奥嶋誠昭コーチ(41)の指導の下で3日間ほどの合宿を行う計画もある。海外メジャー参戦の可能性はあるものの今年も主戦場は国内ツアー。「まず1勝」と言う稲見は頂点を見据える。

 「日本人として日本でずっと一番でいたい」

 ≪新たな相棒・沢木トレーナー「力みなくなる」≫沢木トレーナーは社会人野球選手などの施術を行ってきたがプロゴルファーを担当するのは初めて。最初に稲見を治療した時は「(腰は)動けるような感じではなかった。(体全体も)あそこまで硬いスポーツ選手はいなかった」という。現在は体幹のストレッチや肩甲骨を使うトレーニングなどを指導している。ツアーにも同行する予定で「可動域が広がれば力みがなくなり安定するしパフォーマンスも上がる」と太鼓判を押した。

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2022年1月31日のニュース