【箱根駅伝展望】金哲彦氏 2強優位は揺るがず 順大・三浦には1キロ2分30秒のスパートに期待

[ 2022年1月1日 16:10 ]

順大・三浦龍司(左)

 第98回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートする。駅伝・マラソン解説者の金哲彦さん(57)は駒大・青学大2強の争いを予想し、早大や明大といった古豪復活にも期待した。

 今年は駒大と青学大の2校が実力的に抜けていて優勝候補だ。実際に一騎打ちになるのかはふたを開けてみないと分からないが、駒大はエース田沢廉(3年)だけではないところが強み。主力を欠いた全日本大学駅伝でも優勝するなど選手層は群を抜いている。ライバルの青学大は16人全員が1万メートル28分台を出しているというインパクト以上に、箱根駅伝の20キロを走れる選手をそろえているところに強さを感じる。

 前回大会で創価大が2位に入ったことは大学駅伝界に衝撃を与えた。今大会も前回メンバーが残っている。出雲駅伝は7位、全日本大学駅伝は予選敗退で出場できなかったが、前回がまぐれじゃなかったことを見せてくれそうな雰囲気がある。

 今回、創価大のように飛躍しそうなのが東京国際大だろう。10人が20キロを走りきって総合優勝するというところまでは難しいかもしれないが、スーパーエースのビンセントと日本人エース丹所健(ともに3年)を前半に投入することで、先頭を走る場面がかなり出てくる。3区までの勢いを生かせば往路優勝は十分にある。

 古豪の復活にも期待したい。私の母校の早大は1万メートル27分台トリオが存在感を発揮している。前半は良いところまでいくと予想できるだけに、後半の粘りが重要になる。予選会で2位に約4分差をつけてトップ通過した明大は総合力がある。前回は優勝候補にまで挙げられながら実力を出せずにシード落ちしたが、今回はシード権だけではなく、上位も狙えるだろう。

 個人的に注目している選手は東京五輪男子3000メートル障害7位の順大の三浦龍司(2年)と先日、1万メートルで22年世界選手権参加標準記録を突破した田沢だ。それぞれロードでどんな走りをするのか注目している。どちらも共通するのは圧倒的なスピード。田沢はハイペースで2区を押し切る姿、三浦は予想される1区終盤で1キロ2分30秒というスパートを見たい。世界レベルはこういうものだというのを他の選手やファンに見せつけてもらいたい。(駅伝マラソン解説者)

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