常翔学園 大会通算99勝!史上3校目の大台に王手 縦へ縦へ縦へ「コウダイラグビー」で8T圧勝

[ 2021年12月31日 05:30 ]

全国高校ラグビー大会2回戦   常翔学園52ー26中部大春日丘 ( 2021年12月30日    花園ラグビー場 )

<常翔学園・中部大春日丘>後半、鼻血を出しながらトライを決める常翔学園・山本(撮影・北條 貴史)
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 シード校が登場し、Bシード常翔学園(大阪第1)は中部大春日丘(愛知)から8トライを奪って圧倒し、大会通算99勝とした。前校名「大工大高」時代から受け継ぐ破壊力満点の“縦への突破”で主導権を握った。

 常翔学園は前半、体をガツガツとぶつけて攻撃した。一人一人がタックルを受けても簡単に止まらない。縦、縦、縦と切り裂いた。

 5点を先制されてから本領発揮。飛び級で20歳以下日本代表候補に名を連ねるロック大本の突進を起点にして、2連続トライであっさり逆転した。FW平均体重が中部大春日丘と同じ95キロながら、“当たり勝ち”を続けて主導権を握った。フランカー山本主将の「強みのフィジカルで勝ってから外に展開する」という狙いどおり、風下の後半は展開で相手を翻弄(ほんろう)。強さとうまさで計8トライを奪い、難敵を一蹴した。

 これで大会通算99勝。前校名「大工大高」時代の代名詞だった「縦」の突破を前面に出すラグビーで、史上3校目の大台100勝に王手をかけた。

 今の3年生は伝統を強く意識している。40年近く使用された部室が、4月に取り壊された。歴史ある建物からピカピカの部室に移る際、全員で山積みになった荷物や資料を整理した。山本主将は背筋が伸びる思いをしたことを覚えている。

 「過去の試合の記録が全て残っていた。このチームは、歴史が長くて凄いものなのだと、実感した」

 その後、節目のミーティングでも、伝統を頭に置いてきた。主将は語る。「自分たちのアイデンティティーを考えた際に、コウダイ(大工大高)の伝統と、自分たちの持ち味を重ね合わせて、フィジカルバトルで勝つことが大事という結論になった。僕らの中で“縦”という意識が生まれた」。出場40回目の初戦で、受け継がれる破壊的な攻撃を体現した。

 元日の3回戦は、前評判が高い石見智翠館と戦う。山本主将は「数字は振り返った時に付いて来るもの」と、100勝はあくまで通過点だと強調する。6度目の日本一しか見えていない。(倉世古 洋平)

 ▽常翔学園 1922年(大11)に関西工学専修学校として設立される。摂南学園高、大工大高を経て、08年から現校名に。普通科の私立で、生徒数は男子1340人、女子636人。ラグビー部は37年(昭12)創部。66年度の45回大会で初出場。荒川博司監督(故人)の指揮下で強豪となり、今大会で出場40回、花園通算99勝、優勝5回。主なOBは元木由記雄(元日本代表)、三池崇史(映画監督)、西川のりお(漫才師)。

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