小島 長野五輪イヤーの長野生まれが長野で初五輪決めた!男子1000メートル国内最高V

[ 2021年12月31日 05:30 ]

スピードスケート北京五輪日本代表選考会第2日 ( 2021年12月30日    長野市エムウェーブ )

優勝し、ガッツポーズの小島(撮影・光山 貴大)
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 男子1000メートルは小島良太(23=エムウェーブ)が1分8秒35の国内最高で優勝し、初の五輪代表入りを確実にした。2位の新浜立也(25=高崎健康福祉大職)、3位の森重航(21=専大)も500メートルに続く代表入りが当確。女子1000メートルは小平奈緒(35=相沢病院)が1分14秒82で制し、500メートルに続く代表入りを確実にした。既に代表権獲得が確実な高木美帆(27=日体大職)は欠場。北京五輪日本代表は、31日の全日程終了後に発表される。

 物心つく前から立っていたリンクで、小島が初の五輪切符をつかみ取った。最初の200メートル通過は全体7位。得意のストレートで加速すると、最後の1周も粘った。新浜の国内最高を0秒18更新。11月に開催されたW杯第1、2戦の優勝タイムを上回る好記録を叩き出し「ここでずっと滑ってきた。このリンクは友達。しっかり滑ればタイムは出ると思っていた」と胸を張った。

 長野五輪が開催された98年に長野市で生まれた。スケートをしていた兄の影響で、オムツが取れていない頃からエムウェーブに通った。信州大卒業を控えた昨秋、エムウェーブの滝沢信一社長(66)に「所属選手になって恩返しがしたい」と直談判。熱い思いを伝えて所属契約を勝ち取った。会場内にはリンク記録保持者を記したプレートがあり、幼少期から抱いていた「いつか自分も」の思いを実現。表彰式では滝沢社長から記録更新の報奨金計15万円の目録を受け取った。

 4年前の平昌五輪代表選考会には出場すらできなかった。同じチームで練習する小平から言われた「ストレートの技術は参考にしている」との言葉を励みに長所を磨き、苦手だったカーブも小平から技術を盗んで克服。小平に「最初は下手だなって思っていたのに、いつの間にかお手本になるようなスケーティングをするようになった」と言わしめるほどの成長を遂げた。

 今季はW杯を転戦。6位が最高成績で表彰台には立てなかったが「トップスピードは海外選手に引けを取っていない」と自信を得た。「夢の舞台で自分を表現できるように頑張りたい。持ち味を出したい」。24年の時を経て、長野五輪の“レガシー”が北京でメダルに挑戦する。

 ◇小島 良太(こじま・りょうた)1998年(平10)5月11日生まれ、長野市出身の23歳。エムウェーブスケートクラブで競技を始める。屋代高から信州大に進み、今季からエムウェーブ所属。小平奈緒らとともに結城匡啓コーチのチームで練習する。19年の全日本距離別選手権の1000メートルで2位になり、19~20年にW杯初参戦。今年10月の全日本距離別選手権は1000メートルで優勝。W杯は6位が最高成績。1000メートルの自己ベストは1分7秒43。趣味は登山、コーヒー、ドライブ。1メートル75、74キロ。

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