御所実 宮古島から留学SH山本主将が4トライ&絶妙タクトで圧勝演出 初の全国制覇へ上昇機運呼ぶ

[ 2021年12月31日 05:30 ]

全国高校ラグビー大会2回戦   御所実55ー7青森山田 ( 2021年12月30日    花園ラグビー場 )

<御所実・青森山田>前半、タックルをかわして突破を図る御所実・山本(撮影・北條 貴史)
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 Bシード御所実(奈良)は青森山田(青森)から9トライを奪って圧勝した。沖縄県の宮古島から奈良の県立高に進学したSH山本晴大(3年)が4トライを挙げた。

 平均体重90キロ超のFW陣が形成する御所実伝統のモールをチーム一小柄な1メートル63、68キロのSH山本主将が絶妙な手綱さばきで前へ前へと進めていく。左ラインアウトから22メートルを真っすぐ縦に押し込んだ前半7分の先制トライを皮切りに、同17分、26分、後半5分と固まりの最後尾で身を隠しながら機を見てインゴールに飛び込み、4トライ。「こだわってるモール。まだ50点」と自己採点は厳しいが「次につなげることができてうれしい」と3大会連続の年越しに安堵(あんど)の笑顔を見せた。

 山本は沖縄・宮古島で育った。ラグビーは小2年から。ダイビングショップを営みながら地元のクラブチームでプレーしていた父・大司さんの影響で始めた。御所実ラグビーとの出合いは中3年の時。父も所属するクラブチームのSHとして沖縄遠征中の御所実と対戦し、故郷から1500キロ離れた見知らぬ土地への留学を決めた。

 大会通算13勝の沖縄から同136勝の奈良へ乗り込んでの挑戦。仲間の信頼を勝ち取るためプレーはもちろん、ごみ拾い、トイレのスリッパ並べなど人が嫌がることも率先して行った。そして、高校最終年の今季、複数の選手による共同主将4人のうちの1人に選ばれ、沖縄出身者としては創部74年目にして初めてゲームキャプテンとなった。

 今季のテーマはいつもいいムードでという意味の「Good Vibes」。南国から来たリーダーが、初の全国制覇を目指す準V4度の強豪に上昇機運をもたらしている。(石川 勝己)

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2021年12月31日のニュース