札幌山の手 11度目挑戦も…またシード校の壁 大阪桐蔭に逆転負け

[ 2021年12月31日 05:30 ]

全国高校ラグビー大会2回戦   札幌山の手7-22大阪桐蔭 ( 2021年12月30日    花園ラグビー場 )

<札幌山の手・大阪桐蔭>前半、先制トライに歓喜の札幌山の手フィフティーン(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 4年連続20度目出場の南北海道代表・札幌山の手は大阪桐蔭(大阪第3)に7―22で逆転負けし、11度目の挑戦となるシード校の壁にまたも阻まれた。88年創部以来指揮を執り、日本代表前主将のリーチ・マイケル(33)らを育てた佐藤幹夫監督(60)は今年度限りで定年。選手は初の2回戦突破こそプレゼントできなかったが、最高のプレーで恩返しした。

 力強い突破で何度も見せ場をつくったニュージーランド人留学生のSOステファン・バハフォラウ(3年)は「幹夫先生のラスト(定年)で自分たちの代が最後のチャンスだった。すみません」と泣きながら佐藤監督に頭を下げた。すると、同監督は「謝ることはない。今年一番のゲームだった。成長が何よりもうれしい」と優しくねぎらった。

 強豪・大阪桐蔭に真っ向勝負を挑んだ。前半3分。ゴール前5メートルの左ラインアウトからモールで押し込み、フランカー山本育弥(3年)が先制トライを奪った。「誰もが(大阪)桐蔭が勝つと思っていると思ったので、みんなで驚かせたかった」。札幌山の手の対シード校の歴史は、伏見工(京都)に0―77でなすすべなく敗れた02年から始まっている。この日は15点差。対シード校では11年黒沢尻工(岩手)戦での12点差(15―27)に次ぐ少なさだった。

 今年から佐藤監督の羽幌高時代の教え子で元明大監督の丹羽政彦氏(53)が特別アドバイザーに就任。ミーティングを増やし、フィジカルを徹底的に強化してきた。試合前日にはリーチから「気を抜かずに頑張れ」という応援の動画も届いた。敗れはしたが、WTB吉田慎吾主将(3年)は「一年間やってきたことを出し尽くし、そこに悔いはない」と胸を張った。

 来春東洋大に進学するバハフォラウは「自分たちも来年からもっと頑張る。後輩たちを応援している」とエール。新主将となる予定のフランカー小口篤(2年)は「先輩から勇気をもらい、シード校を倒すために頑張りたい」。来季から総監督となる予定の佐藤監督に、12度目の挑戦で壁を乗り越えるところを必ず見せる。(武田 政樹)

続きを表示

2021年12月31日のニュース