“闘う医学生”朝比奈沙羅に新たな勲章 国際柔道連盟が年間表彰発表

[ 2021年12月19日 14:57 ]

朝比奈沙羅
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 国際柔道連盟(IJF)は18日、オンラインで2021年の年間表彰「JUDO AWARDS」を発表し、最も印象に残った場面に贈られる「MOMENT OF THE YEAR」に、6月の世界選手権女子78キロ超級決勝後、優勝した朝比奈沙羅(25=ビッグツリー)が、敗れて膝を負傷した冨田若春(24=コマツ)をおぶって畳を下りるシーンが選ばれた。表彰には男子最優秀選手賞に阿部一二三(パーク24)、最優秀コーチ賞に井上康生氏(前男子日本代表監督)らがノミネートされていたが、いずれも受賞を逃し、日本人関連では唯一の受賞となった。

 くだんのシーンは日本人対決となった決勝直後。膝を負傷した冨田の元に朝比奈が歩み寄り、歩くこともままならない敗者をおぶると、一緒に一礼して畳を下りた。柔道界では前例のないことだったが、IJFは直後から公式ツイッターで朝比奈のスポーツマンシップを絶賛。海外からも賛辞が相次いだ。

 受賞を受けて朝比奈は、自身のインスタグラムを更新。「投票してくださった皆さま、ありがとうございました。“素晴らしいことをした”とは思ってないけれど、それでも自分の行いで誰かの心に感動を届けられたなら幸いです」なとど感謝のメッセージを記した。

 18、21年世界女王の朝比奈は、昨年4月に独協医大に入学し、医師を目指しながら競技生活を継続している。今年は世界選手権以降の試合出場はなかったが、インスタグラムには「来年も柔道と勉強頑張っていきたいと思いますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします」と投稿。24年パリ五輪に向けて、今後の競技との向き合い方に注目が集まる。

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2021年12月19日のニュース