同大 最後は神頼みで薄氷の8強入り 大東大のゴール外れて勝利決定 キック5本外した嘉納も安堵

[ 2021年12月19日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権4回戦   同大31-29大東大 ( 2021年12月18日    花園 )

<大東文化大・同大> 後半37分、大森(中央)がトライを決め抱き合って喜ぶ同大フィフティーン (撮影・後藤 大輝)
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 4試合が各地で行われ、同大はキックで泣き笑いをしながら大東大に31―29で競り勝ち、5季ぶりに8強へ進んだ。2連覇を狙った天理大は明大の強いスクラムにリズムを狂わされ、17―27で敗れた。近大に競り勝った慶大と、日体大を後半に突き放した日大も26日の準々決勝へ駒を進めた。

 同大は神頼みだった。試合終了のホーンが鳴った後のラストワンプレーで、大東大にモールでトライを奪われ、2点差に迫られた。

 右隅からのゴールキックが決まれば、31―31。同点の場合、(1)トライ数(2)ゴールキック数(3)抽選の順で次戦進出チームが決まる。トライ数は5対5。しかし、ゴールの数は0対2で劣勢だった。追いつかれた時点で大会終焉(しゅうえん)を意味していた。

 相手CTB戸野部がモーションに入ると、ほぼ全員が一列になって走り出した。外れて、歓喜の輪ができた。

 「最後はプレッシャーをかけることだけ考えて走った」と語ったSO嘉納こそ、最も安どした選手だろう。花園に強風が吹いた影響で、今季の関西リーグで断トツの30ゴールを挙げた好キッカーが「多分(人生で)初めて」と、5本のゴールを全て外した。

 さらに、後半25分には自陣ゴール前からの不用意なキックを奪われてトライを許した。ここで一時は逆転された。後半に難しい角度のPGを決めたとはいえ、キックで再三泣いていただけに、最後は相手の失敗に救われて、ようやく笑えた。

 チームは、前半25分までに4トライを先取しながら、終わってみれば薄氷の勝利。ピリッとしない内容でも、今秋の関西リーグは接戦を全て落としていたとあって、ロック南主将は「勝ち切れたのは成長」とうなずいた。

 26日の準々決勝(秩父宮)は帝京大。部員にコロナ陽性者が出て出場辞退した昨季、初戦で当たるはずだった相手だ。今季初めて競り勝った自信を胸に、強敵に挑む。

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