遼、松山らに続く10代4人目Vへ 19歳・久常が4差10位浮上「ガンガン振れば何とかなります」

[ 2021年11月20日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第2日 ( 2021年11月19日    宮崎県 フェニックスCC=7042ヤード、パー71 )

17番、ティーショットを放つ久常涼(撮影・西尾 大助)
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 14位から出た19歳の高卒ルーキー、久常涼(SBSホールディングス)が4バーディー、1ボギーの68で回り、通算6アンダーで10位に浮上した。首位とは4打差。ツアー史上4人目の10代優勝&大会史上最年少優勝に挑戦する。69で回った秋吉翔太(31=ホームテック)が通算10アンダーで首位の座を守った。

 松林にセパレートされた難コースで、期待の19歳がじわりと順位を上げた。2日連続の68で10位に浮上。44年前にセベ・バレステロス(スペイン)が記録した20歳7カ月を更新する大会最年少優勝も視界に入ってきた。

 「ティーショットの調子はあまり良くないのでたまに林に…。狭いと体が反応しちゃうんですけど、まあガンガン振れば何とかなります。今日も3つスコアを伸ばすことができたのは、あと2日間につながる」

 ダイナミックなスイングで平均飛距離300ヤード超えの飛ばし屋。この日のフェアウエーキープ率は50%ながら、パーオン率は1位の83・33%と2打目以降でスコアをつくった。象徴的だったのが最終18番パー5。第1打を林に打ち込みながら、160ヤードの第3打を3メートルにつけてバーディーで締めた。

 渋野日向子と同じ岡山・作陽高出身で昨年12月にプロ転向した19歳は、ツアー出場の優先順位を決めるQTランク1212位からはい上がった。今年下部ツアーで3勝。07年に制定された新規定の第1号としてレギュラー「昇格」をつかんだ。

 初出場の今大会は47年の歴史を持つ、久常いわく「スーパー格式高い試合」。歴代覇者はバレステロスをはじめタイガー・ウッズや尾崎将司らそうそうたる顔ぶれだ。そんな写真を見つめて言った。「あそこの写真に僕の顔を。ただそう簡単にはいかないでしょうから、まずは自分のゴルフができればいい。その先に、ですね」。石川遼、松山英樹らに続くツアー史上4人目の10代優勝への期待も膨らむ。

 ◇久常 涼(ひさつね・りょう)2002年(平14)9月9日生まれ、岡山県出身の19歳。3歳でゴルフを始める。岡山・作陽高卒。17年日本ジュニア優勝。18年全国高校ゴルフ選手権優勝。20年プロ転向。21年下部ツアー3勝。レギュラーツアーは前週まで10試合に出場し、三井住友VISA太平洋マスターズの4位が最高。約1421万円で賞金ランクはシード圏内の56位。1メートル75、75キロ。

 ▽チャレンジトーナメント 日本の下部ツアー。18年から特別スポンサーが付き名称がAbemaTVツアーに。新型コロナ感染拡大により20、21年シーズンが統合された。今季の賞金王になると来季レギュラーツアーのシード権を得る。また、賞金王を除く賞金ランク20位までが来季レギュラーツアーの準シード権を得る。シーズン3勝するとその翌週から当該シーズンのレギュラーツアーに出場できる規定が07年に制定され、久常はその規定の適用第1号。

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