浅地洋佑 17番ミラクルショットでVたぐり寄せた 2年2カ月ぶりツアー勝利に「長かった」

[ 2021年11月7日 19:16 ]

<ABCチャンピオンシップ 最終日>17番、バーディーパットを沈めガッツポーズの浅地洋佑 (撮影・後藤 大輝)
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 男子ゴルフのマイナビABC選手権(賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円)は7日、兵庫県加東市のABCGC(7217ヤード、パー72)で最終ラウンドを行った。

 首位に1打差の3位からスタートした浅地洋佑(28=フリー)が7バーディー、3ボギーの68をマークし、通算16アンダーで今季初優勝。2019年9月のANAオープン以来となるツアー通算3勝目を挙げた。

 首位スタートの石坂友宏(22=日本ウェルネススポーツ大学)、堀川未来夢(28=Wave Energy)の2人が通算14アンダーの2位。この日ベストスコア67で回った大ベテラン・片山晋呉(48=イーグルポイントGC)が通算13アンダーの4位に入った。

 最終組の浅地、堀川、石坂の3人が横一線のまま迎えた17番パー4(439ヤード)。第1打を左に大きく曲げた浅地が勝利をたぐり寄せる起死回生の一打を放った。

 ピンまで残り180ヤード。ボールの15ヤード先には枝を広げる木、さらにその40ヤード先には林が大きくせり出していた。二段構えの障害をスライスを掛けながら回避するトラブルショット。見えないピンに向かって7Iを振り抜くとボールはピン右7メートルに止まり、これを沈めて混戦から一歩抜け出した。このミラクルショットで勢いに乗った浅地は最終18番パー5(525ヤード)でも残り170ヤードの第2打を8Iでピン左手前8メートルに乗せて楽々バーディー。グリーン脇で待ち構えていたプロ仲間からウオーターシャワーの祝福を受けた。

 「長かったなって感じました。ようやく勝ったなって」

 2年2カ月ぶりの勝利の味。1メートル69、68キロと小柄な浅地がパワーゴルフ全盛の現代で生き残るためには諦める勇気も必要だった。

 「僕みたいなスタイルだと長いコースでは歯が立たない。だからそういうコースでは諦めます。ちょっと距離が短くて狭いコースに来た時に“ここだ”ってスイッチを切り替えます」

 今季のドライビングディスタンスは全体72位の278・34ヤード。7652ヤード、パー71のトーリーパインズGCで開催された今年6月の海外メジャー、全米オープンは距離の壁を克服できず、通算9オーバーの119位で予選落ちしたが、この時、海外メジャー対策として準備したウエッジ4本のセッティング(62、57、52、47度)が浅地の新たな武器に。「今週のようなコースはウエッジに頼ろうかなと思って」と7番パー4(362ヤード)ではバンカー脇の砂混じりのラフから50ヤードを62度で50センチにつけるスーパーショットでバーディーを奪った。

 茶、銀、金、アッシュ……さまざまに変わる髪の色がトレードマーク。今回は赤い髪と「金運が上がるかも」という黄金ヘッドの新パターという派手な組み合わせでツアー3勝目を手にした。「次は青かな」と笑う浅地。7262ヤード、パー70で実施される次週の三井VISA太平洋マスターズ(静岡・太平洋C御殿場C)も「ここだ」と気合の入る舞台となる。

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2021年11月7日のニュース