立花泰則氏 橋本の鉄棒 完璧求められた局面で…わずかに動いた着地

[ 2021年10月23日 05:30 ]

体操 世界選手権第5日 ( 2021年10月22日    福岡・北九州市立総合体育館 )

男子個人総合決勝、鉄棒の演技をする橋本大輝(撮影・小海途 良幹)
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 【立花泰則の目】橋本選手の鉄棒で、難度を示すDスコアは6・5点。張選手を上回るためには出来栄えのEスコアで8・65点を超える必要があった。鉄棒でのEスコア8・65点は、ミスが許されない。完璧な演技を求められた局面で着地が動いたため、張選手にわずかに及ばなかった。他にも跳馬の着地での減点も響いた。

 結果は銀メダルだったが、素晴らしい面もあった。あん馬ではD難度の技で落下したが、再び同じ技を実施して予定のDスコアを確保。普段の練習からリスクマネジメントを徹底しているのだろう。あん馬では張選手も落下したが、同じ技には再チャレンジしなかった。また、課題のつり輪では東京五輪、今大会の予選と認定されない技があったが、この日の決勝ではきっちり修正していた。

 橋本選手や、内村選手のようにオールラウンダーでありながら種目別でも金を獲れるようなポテンシャルが、張選手にはある。パリ五輪に向けて、日本の脅威になることが証明された。(12年ロンドン五輪男子日本代表監督)

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