「社員プロ」杉山 グッジョブ首位!コース記録タイ62、試合ない日はゴルフ場運営業務

[ 2021年10月10日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ブリヂストン・オープン第3日 ( 2021年10月9日    千葉市・袖ケ浦CC袖ケ浦C=7119ヤード、パー71 )

18番、14アンダーでホールアウトした杉山(撮影・西川 祐介)
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 プロ7年目で未勝利の杉山知靖(28=レイクウッドコーポレーション)が、大会史上5人目となるコースレコードタイの62をマークして、通算14アンダーで単独首位に立った。首位で出た片岡尚之(23=フリー)は71と伸ばせず、3打差の2位に後退した。

 袖ケ浦は林間で、グリーンが小さくて速い戦略性の高いコース。杉山にとっては初めてのゴルフ場だったが「雰囲気が所属しているコースに似ているので、リラックスして回れました」と違和感なくプレーできたことが、62の大会タイ記録につながった。2番で1・5メートルを沈め波に乗ると、安定したショットでバーディーを量産。17番でチップインバーディーを決めるなど最後は3連続バーディーで締めくくり、自身初の単独首位に立った。

 神奈川のレイクウッドGCなどを傘下に持つ企業の社員プロ。試合がない時は、同ゴルフ場で運営面の改善点のアドバイスや顧客とのラウンドなどの業務を行っている。「今週、袖ケ浦を回ってここがいいなと思ったらコースに帰って提案したり。レストランのホールはスタッフ何人で回しているんだろうとか、ついつい見てしまいます」。社員プロらしく生真面目で人当たりも柔らかいが、選手としてはそれが裏目に出ることもあった。

 試合中はコースの距離計測メモをホテルにまで持ち帰り「予習復習」するのが日課だった。そのため「夜も頭がゴルフでいっぱいになった」。自分を追い込み過ぎて結果が出なくなり、トレーナーが一緒だった片山晋呉に相談。「杉ちゃんはゴルフに向き合い過ぎるから。そういうのはピタッとやめた方がいいよ」とアドバイスを受けた。それが転機になった。

 プロ7年目でツアーの成績は8月のセガサミー・カップの10位が自己最高。2位と3打差のアドバンテージは大きいが「一打一打に集中して、この素晴らしいコースで結果が出たら最高ですね」と社員プロらしい、落ち着いた物腰で決意を口にした。

 ≪大会18ホール最少スコア記録≫62をマークしたのは杉山で5人目。過去には10年大会3日目に片山晋呉、同最終日に池田勇太、16年大会初日に谷原秀人、同3日目に小平智がそれぞれ記録している。このうち池田と小平が優勝。

 ≪競技以外の仕事にも従事する社員プロ≫プロゴルファーは企業と所属契約を結び、ツアーなどで活躍して露出度を高めることで所属企業の知名度アップに貢献するケースが多いが、企業の正社員となりゴルフ以外の仕事に従事する選手が「社員プロ」と呼ばれる。ツアー6勝の近藤智弘は食品メーカーの日本法人「ネスレ日本」の採用試験を受験し16年4月に正社員として入社。人事総務本部に配属された。

 ◇杉山 知靖(すぎやま・ともやす)1993年(平5)4月28日生まれ、神奈川県出身の28歳。祖母・白川たえこさんの影響で5歳でゴルフを始める。関東中学選手春季大会2位。明徳義塾高―中央学院大。13年日本アマ2位。大学4年でプロ転向。今年7月の下部ツアーのプレーヤーズチャンピオンシップ・チャレンジで初優勝。1Wの平均飛距離は290ヤード。1メートル73、75キロ。

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