バドミントン 強化合宿と種目別出稽古並行、普段と違う刺激に手応えも

[ 2021年6月3日 05:30 ]

2020+1 DREAMS 五輪開幕あと50日、選手&関係者が抱える不安

バドミントンの日本代表合宿でダッシュする桃田賢斗(手前左)ら(日本バドミントン協会提供) 
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 メダル量産が期待されるバドミントンは、相次ぐ国際大会の中止で実戦の場が失われた。昨年3月の全英オープンを最後に世界ツアーは約7カ月中断。今年も多くの国際大会が中止となり、3月の全英オープンを最後に東京五輪まで主要大会は行われない見込みとなった。日本協会の京田和男強化本部長は「選手は実戦が一番。それがなくて選手はつらいと思う」と気持ちを代弁する。

 昨年4月からは日本代表を集めた強化合宿を4カ月ほど行えず、コーチ陣が各所属チームを巡回して選手の状態を継続的にチェック。朴柱奉ヘッドコーチを中心にオンラインでミーティングを頻繁に開いて選手の近況を共有してきた。昨年1月に交通事故で負傷した桃田賢斗(NTT東日本)の個人合宿には中西洋介コーチが同行するなど、個別のフォローも行っていた。

 昨年9月から定期的な強化合宿が再開。その一方で、代表コーチ陣が主導し、種目ごとの“出稽古”も実施した。女子ダブルスの福島由紀、広田彩花組(丸杉Bluvic)が秋田の北都銀行に出向いて永原和可那、松本麻佑組と合宿。桃田や男子ダブルスの遠藤大由、渡辺勇大組(日本ユニシス)が常山幹太や園田啓悟、嘉村健士組の所属する富山のトナミ運輸に赴くこともあった。京田本部長は「海外遠征がなく実戦から離れている。代表の何人か集まってゲーム練習をするのは効果的だった」と振り返った。普段と違う刺激を注入し、試合勘の維持やモチベーション上昇につなげた。

 強豪の中国や台湾、韓国勢が国内調整を続ける一方で、日本は数少ない国際大会に参戦。3月の全英オープンでは桃田が世界舞台に復帰を果たし、日本勢が4種目を制覇するなど好材料も多かった。本番で掲げる目標は全5種目で金3個含むメダル6個。京田本部長は「もう1年頑張ろうという思いを持って、選手たちは取り組んでくれた。ライバル同士が励まし合って乗り越え、強くなった」と強調した。

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2021年6月3日のニュース