村田諒太が東京五輪を目指すアスリートにエール「意義を考えて、やって、感じればいい」

[ 2021年6月3日 18:08 ]

村田諒太
Photo By スポニチ

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は五輪開幕50日前の3日、東京・有明アリーナで、大会の表彰式で使用する表彰台、楽曲、ボランティアが着用する衣装、メダルトレーを発表した。

 ボクシングの2012年ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(現WBA世界ミドル級スーパー王者、35=帝拳)がゲストアスリートとして出席。視界の松岡修造氏(53)から表彰台に立つことについて問われると「五輪はゴールと思っていたが、実際に立ってみるとゴールではなくスタート地点。全てが変わってしまうような景色、状況だが、全てはきっかけ」と答えた。自身は金メダル獲得で競技引退どころかプロに転向して困難なミドル級で世界王座に2度就いた経験があり、「てっぺんに立って金メダルを取った、これで人生やること終わったという気持ちになるんですけど、勘違いもはなはだしくて、自分のこれからの人生を変えてくれるというか、より良いものにしていくきっかけの舞台と思う」と持論を展開。「舞台に立った上で何かをつないでいければ。そういうことが今回の東京五輪の1つのテーマになると思う」と分析してみせた。

 松岡氏は、この日披露された表彰式の楽曲が延期決定前に完成していたにもかかわらず、コロナ禍の逆風に立ち向かう力強さを感じたと指摘。これについて村田は「延期前の曲のはずなのに、予想されなかったパンデミックの現状にマッチしている。五輪やスポーツが伝えたいことはまさにそれであって、現状に負けない力や自分自身を超えていく力、後押ししてくれる力だと思う。だからこの状況にこの音楽が合っていたのはある意味当たり前。スポーツの力とはそういうことだと思います」と解説。東京五輪への思いを聞かれると、「アスリートに対して五輪はやめるべきなんじゃないかという質問をする方がいるけど、アスリートはそれを決める立場じゃない」と指摘した上で、「五輪経験者として言わせてもらえれば、やるのであれば盛り上げましょう、やるのであれば意義を持たせましょうということ。物事って何でも意義ですよね。意義ってのはつくっていかないといけないもの。各々が意義を自分たちで考えて、自分たちでやって、感じていけばいいだけの話。ひと通りのものとして捉える必要はない。だからこの舞台に立って活躍する選手が何を感じてもらえるか、それが大事じゃないかと思う」と熱弁を振るった。

 アドリブで難しい質問をぶつけたという松岡氏も、村田の鮮やかな“スピーチ”に感心しきり。村田の次に話すことになった1992年バルセロナ競泳女子200メートル平泳ぎ金メダリストの岩崎恭子さん(42)に「凄くやりにくいですよね」と振って笑いを誘った。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月3日のニュース