東京五輪・パラ表彰式の表彰台や楽曲を発表 史上初100%リサイクルプラスチック素材

[ 2021年6月3日 16:28 ]

東京パラリンピックで使用される表彰台(C)Tokyo2020
Photo By 提供写真

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は3日、大会の表彰式で使用する表彰台、楽曲、ボランティアが着用する衣装、メダルトレーを発表した。東京・有明アリーナで発表会を開き、2012年ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太(現WBA世界ミドル級スーパー王者、35=帝拳)、1992年バルセロナ五輪競泳女子200メートル平泳ぎ金メダリストの岩崎恭子さん(42)らが出席した。

 表彰台は五輪とパラリンピック共用で、縦120センチ×横120センチ×高さ20センチのユニットを、個人種目では五輪が4ユニット、パラが3ユニットを使って組み合わせる。史上初めてプラスチック素材全てにリサイクルプラスチックを使用しており、スポンサーの「P&G」社の協力を得て19年6月~20年3月に回収された使用済みプラスチック約24・5トンを元に、計98台の表彰台が作成された。デザインは東京2020のエンブレムを制作した野老朝雄氏が担当し、側面はエンブレムのコンセプトである「組市松紋」を立体化。造形化には最先端の3Dプリンター技術を活用するなど日本の技術力を結集させた。また、五輪とパラリンピックのシンボルマークの部分は、東日本大震災の仮設住宅で使われたアルミ建築廃材が再生利用されている。

 楽曲は日本を代表する作曲家で、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」やNHK大河ドラマ「青天を衝け」など数々の名作の音楽を手掛けてきた佐藤直紀氏が作曲。仕様や利用規程が細かく決められている中、「アスリートに最大の敬意を表する、アスリートのための賛歌」をテーマに、どの国のアスリートが、どのタイミングで表彰台に上がっても、テンションや気持ちが途切れないようにメロディーを設計したという。録音には国内トップクラスのスタジオミュージシャンと有数の交響楽団から垣根を越えて144人が集結。お披露目となったこの日は、東京都交響楽団と東京混声合唱団が演奏と歌唱を担当した。

 メダルやギフトを表彰台へ運ぶほか、プレゼンターや選手をエスコートする役目も担うボランティアの衣装は、新進気鋭のファッションディレクター山口壮大氏がデザイン。現代の祭典にふさわしい「新しい礼服」をコンセプトに、「かさね」「おり」「結び」「染」といった和の情緒と暑さ対策など洋装の機能性を兼ね備え、リサイクル素材を採用している。上は男女同じスタイルのジャケットで、パンツスタイルかワンピーススタイルをボランティア自身が選べる。表彰式に携わるボランティアは500人以上で、19歳から76歳までがエントリーしている。また、メダルを運ぶトレーは扇子がモチーフとなっており、サイズは58センチ×32センチ。こちらもリサイクル可能な素材が使用されている。

 東京大会の表彰式は五輪が339回、パラが539回の計878回。授与されるメダルも金属リサイクルによるもので、大会のコンセプト「持続可能性」に最大限配慮した表彰式を実現する。

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2021年6月3日のニュース