スケボー12歳開心那 夏季五輪日本人最年少出場へ ノーミス締めでランキング逆転

[ 2021年5月25日 05:30 ]

スケートボード デュー・ツアー最終日 ( 2021年5月23日    米アイオワ州デモイン )

スケートボードの東京五輪予選大会で女子パークの5位に入った開(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 五輪予選最終戦のパーク女子は決勝で12歳の開心那(ひらき・ここな、hot bowl skate park)が47・70点で5位に入り、五輪代表を確実にした。1968年メキシコ大会に13歳で出場した競泳の竹本ゆかりを抜いて、夏季五輪史上最年少出場となる。五輪代表が確定していた四十住(よそずみ)さくら(19=ベンヌ)が61・71点で予選大会初優勝、予選大会4連勝していた岡本碧優(みすぐ、14=MKグループ)は3位。ストリート男子決勝は堀米雄斗(22=XFLAG)が2位に入った。

 東京五輪開催が決まった13年、わずか5歳だった少女が歴史を塗り替えた。最終4回目の試技をノーミスで終え、満面の笑みで頭を抱えた開は「一番最後に自分の滑りで全部メークできたところが良かった」と喜んだ。

 小気味良い音とともに、車輪の金具でコース縁を滑るグラインド系の技などで着実に得点を重ねた。大会前は予選ランキング日本勢4番手で、3枠目の五輪切符は今大会の結果に懸かっていたが「普通に楽しんでやっていた。いつもより緊張しなかった」と強心臓ぶりを発揮。4回とも40点台の安定した内容で日本勢3番手だった中村貴咲(21=木下グループ)を逆転し、最年少五輪出場を決めた。

 5歳から地元のスクールで本格的にスケートボードを始めると、驚異的なスピードで上達した。特に細かい技術とバランスが必要なグラインド系の技はバリエーション豊富で、完成度も世界トップレベル。一方で苦手とする空中技は岡本、四十住に差をつけられているものの「人とかぶらない」という自身のスタイルを磨いてきた。

 今夏の本番は12歳10カ月で迎えるが「別に年齢とかは考えていない」とどこ吹く風。あどけなさが残る中学1年生は気負うことなく「誰もやっていない技を自分が先にやって、表彰に上がりたい」と言い切った。

 ◆開 心那(ひらき・ここな)2008年(平20)8月26日生まれ、北海道倶知安町出身の12歳。5歳でスケートボードを始め、苫小牧市のスケート教室や札幌市のhot bowl skate parkで技を磨く。18年世界選手権で7位。19年日本選手権優勝、19年デュー・ツアー3位。五輪予選対象外の世界的なプロツアー・VANSシリーズでは19年フランス大会で優勝。

 【日本人選手の五輪年少記録】☆最年少 1936年ガルミッシュパルテンキルヘン冬季大会のフィギュアスケート女子に稲田悦子が12歳0カ月で出場。

 ☆夏季 1968年メキシコの競泳、竹本ゆかりが13歳6カ月で出場。男子最年少は1932年ロサンゼルスに14歳10カ月で出場した競泳の北村久寿雄。

 ☆メダル 1992年バルセロナ大会競泳女子200メートル平泳ぎの岩崎恭子が14歳6日で金メダル。

 ▽五輪の年齢規定 五輪出場に年齢制限はないが、IF(国際競技団体)が定めた出場資格をIOCが承認し、適用される。夏季五輪では男子体操とトランポリンが開催年に18歳以上、女子体操と新体操が16歳以上、冬季五輪ではフィギュアスケートがシーズン前年の7月1日時点で15歳以上などの制限がある。五輪の最年少出場、最年少メダリストは1896年アテネ五輪の体操平行棒団体で銅メダルを獲得した10歳7カ月のディミトリオス・ロウンドラス(ギリシャ)。
 

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