ミケルソン メジャー最年長50歳V 単独首位から逃げ切り通算6アンダー

[ 2021年5月25日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー 全米プロ選手権最終日 ( 2021年5月23日    サウスカロライナ州 キアワアイランドリゾート=7876ヤード、パー72 )

優勝トロフィーを手にするミケルソン(AP)
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 フィル・ミケルソン(米国)が単独首位から出て73で回り、通算6アンダーで逃げ切って05年以来2度目の大会制覇を成し遂げた。50歳11カ月7日での優勝は、68年全米プロ選手権のジュリアス・ボロス(米国)の48歳4カ月18日を上回るメジャー最年長記録。メジャー通算6勝目で米ツアー通算45勝目となった。23位で出た松山英樹(29=LEXUS)は72で回り1オーバーの23位。マスターズに続くメジャー2連勝はならなかった。

 最終18番、ギャラリーがフェアウエーになだれ込んだ。ミケルソンは警備員に守られながらグリーンにたどり着き、最後は大群衆が取り囲む中でウイニングパットを決めた。

 「こんな経験は初めて」と笑う顔には深いしわが刻まれていた。「50歳になっても勝てると信じてきたが、現実に勝ててうれしい。この勝利は格別だ」と喜びをかみしめた。

 1打リードでティーオフ。1番で3パットのボギーを叩き、バーディーだった同組のケプカに逆転されたが、2番でグリーン奥から50センチに寄せてバーディーを奪い首位に返り咲いた。6番で並ばれたものの、その後はトップを譲らなかった。

 昨年6月に50歳となりシニアツアーにも出て勝ったが「若い選手と同じように飛ばせる間はやめない」とレギュラーツアーで戦う。ただ19年2月のAT&Tペブルビーチ・プロアマを最後に勝利から遠ざかり世界ランキングは3桁に低迷した。

 衰えを感じ肉体改造に取り組んだ。食事を制限して体重を8キロ前後も絞った。今季の平均飛距離は48位の302・5ヤードで5季前から9ヤード伸びた。この日16番では全体1位の366ヤードも飛ばした。巧みな小技も健在。5番で砂地から放り込むチップインバーディー。16番ではグリーン奥から30センチに寄せてスコアを伸ばした。

 13年全英オープンを初制覇し生涯グランドスラムに王手をかけた。唯一獲っていない全米オープンのタイトルに執念を燃やす。6月17日から故郷サンディエゴで開催される今年の大会は出場資格がなく特別招待を受けていたが、この優勝で5年間の出場権を手にした。「もしかするとこれが最後の勝利かもしれない。でも勢いが続く可能性もある」と自信をにじませた。

【フィル・ミケルソン】
 ☆生まれ&サイズ 1970年6月16日生まれ、米カリフォルニア州サンディエゴ出身の50歳。1メートル91、91キロ。本名はフィリップ・アルフレッド・ミケルソン。

 ☆ゴルフ歴 1歳半でボールを打ち始める。ゴルフ以外は右利きだが、鏡を見るように右打ちの父をまねて左打ちに。

 ☆プロでの戦績 92年にプロ転向し、93年にビュイック招待でプロ初優勝。米ツアー45勝は歴代8位。

 ☆メジャーでの戦績 04年マスターズで初制覇。メジャー6勝は歴代12位。マスターズ3勝、全英オープン1勝、全米プロ選手権2勝。全米オープンは未勝利も2位が6回。

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