パナソニックSO松田 自身初のDG 逆転勝ちに導く ラグビートップリーグ

[ 2021年5月15日 22:04 ]

ラグビー日本選手権兼トップリーグ・プレーオフトーナメント準決勝   パナソニック48―21トヨタ自動車 ( 2021年5月15日    大阪・花園ラグビー場 )

トヨタ自動車に勝利し、笑顔の福岡(中央)らパナソニック選手=花園
Photo By 共同

 ホワイトカンファレンス1位のパナソニックがレッドカンファレンス2位のトヨタ自動車を48―21で下し、5季ぶり5度目のリーグ制覇に王手を懸けた。SO松田力也(27)は前半24分に自身初、今季のトップリーグ初のドロップゴール(DG)を記録。後半36分に退くまでチームを統率し、逆転勝利に貢献した。

 高校や大学時代を含めて経験がなかった“飛び道具”を披露したのは8―15で迎えた前半24分。ゴール前左スクラムからの連続攻撃でゴールポスト正面へ。FWが力勝負を仕掛ける中で無警戒の松田にパスが渡ると、約20メートル先のポスト中央を射貫いて3点を加えた。

 「トライを取れればベストだったが、(点差を)離されたくなかった。チャンスがあればと(狙う)イメージを持っていた」と松田。19年W杯前の日本代表合宿でDGを集中的に練習した際には、「ラグビー人生で狙ったことがない」と明かしていたが、負けたら終わりのプレーオフに向けて「凄く練習した」。その成果を一発回答で示し、「ちょっとでも(DGの可能性が)あると相手が考えれば、オプションが広がる。プレッシャーになったらいい」と話した。

 司令塔としても突如として向かい風が吹き始めた後半のキック合戦で、あらゆるタイプのキックを使い分け、エリアマネジメントで相手を上回った。後半開始直後にはキックで裏のスペースを突き、タッチの差でトライは認められなかったが、相手にプレッシャーを与える妙技。「スペースがあり、外からのコールもあったので、信じて蹴った。いい選択だったと思う」と話した。

 19年W杯まではチームで10番を背負う機会が少なく、経験不足から田村優(キヤノン)との司令塔争いには敗れた。23年W杯こそ10番を背負う。その思いを胸に、今季飛躍的な成長を遂げた松田は「もう1週間しっかり準備をして、チーム全員で笑いたい」と優勝を誓った。

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2021年5月15日のニュース